オウンドメディアにおいて、特にBtoBでは必須のコンテンツとも言える『事例インタビュー記事』ですが、いざ作ることになっても、初めての取材となると何から手を付ければ良いのか分からず、お困りの方もいるのではないでしょうか。
またライターさんに記事を執筆してもらう場合は、書いてほしいことをうまく伝えられず、修正のやり取りが多くなってしまったり、伝わりづらいコンテンツになってしまうことも往々にしてあります。
せっかくコンテンツを作っても、伝わりづらいページになってしまっては元も子もありませんよね。
このページではインタビューの事前準備から、ライターさんへの執筆指示の方法までのコツをお伝えしていきます。
インタビューの事前準備
インタビュー記事の質を決定づけるのは「いかに担当者が事前準備を行ったか」にかかっています。
インタビューというと、つい当日の進め方に気を取られがちですが、実は事前準備で9割が決まってしまうと言っても過言ではありません。
本章では、「事前準備」とは何なのか、基礎的な部分をお伝えします。
コンテンツのテーマを決め、テーマに沿った情報収集を行う
事前準備において最初のステップは、テーマを決定することです。
テーマに沿って、何を伝えたいかを明確にしていきます。
「製品導入による改善事例の具体例を提示したい」「競合との違い、自社の強みを前面に押し出したい」など、複数の訴求したいポイントが出てくると思います。しかし訴求ポイントが多すぎれば、伝えたいことがぼやけてしまいます。
そのため「最優先で伝えたいこと」を確定させることが重要です。
テーマが決まったら、次はテーマに沿った情報収集をします。
情報収集をどれだけ行ったかによって、コンテンツの質が左右されることになるので、さまざまな角度から情報収集を行うことをオススメします。
それでは具体的にどんなことを調べたらいいのか、ポイントを3つご紹介します。
① 製品・事業を知る
取材対象の業種・業界について調べることは大前提になります。その会社が「何をしているのか」「どんなサービスをしているのか」はもちろん、業界内の立ち位置も確認しておくことが大切です。また、企業サイトなどから経営理念や社風などといった企業調査も行っておくと、インタビューの際に相手に合わせた質問を考えることができます。
② インタビュイー (取材対象者)を知る
インタビュイー (取材対象者)が業務の中でどういう立場なのかも可能な限り確認しておきましょう。
実際に現場で業務を回しているのか、マネジメントをしている人なのかで答えやすい質問を絞り込むことができます。もしその方が答えづらそうな質問を聞きたい場合は、事前に質問内容をお渡ししておくことでインタビュー時にスムーズに回答していただけます。
③ 過去のインタビュー記事があれば、読んでおく
過去のインタビュー記事を確認することで、インタビュイーの考え方やスタンスを知ることができます。また、もし同じテーマのインタビュー記事が他社から公開されていた場合、別の切り口から取材を進めることが可能になります。そうすることで、他社よりも話を深堀りできたり、全く新しい話を聞きだすこともできるかもしれません。
ページ構成を決める
充分な情報収集が行えたら、次はページ構成を考えていきます。
どの話題にどれくらいボリュームを割くのか、どういう展開で記事を構成するのか、事前に完成図を描いていきます。
ページの完成図は、インタビューの際の “道しるべ” にもなります。
どんなに準備をしていったとしても、インタビューを進めていくと話が脱線してしまったり、聞きだしたいこととは別の方面に熱が入ってしまい、話を戻すことが難しい場面もあります。
そんなとき、「ページの完成図」があれば、絶対に答えてもらいたい質問の聞き漏らしを防ぐことができます。
ページ全体の構成が固まったら、「想定質問集」を作成します。
インタビュイーの方には、事前に想定質問集を送っておきましょう。インタビュイーに事前に質問を送ることで、回答をあらかじめ準備してもらうことができ、当日の受け答えがスムーズになります。
また、可能であればインタビュー前日までに質問の回答を返送していただきましょう。そうすることで回答を元に、更に深掘りしたい部分・追加で聞きたい部分などを準備することができ、ページの完成予想や構成を考えながら最終調整をすることができます。
インタビュー当日のコツ
前章まではインタビューの事前準備についてお話しましたが、ここからはインタビュー当日の話に移ります。
取材の進め方や、自分が想定した答えが返ってこなかった時の軌道修正テクニックなどをご紹介させていただきます 。
インタビュー内容は録音する

まず、インタビュー内容は録音することをオススメします。
メモだけでは「どういうニュアンスで話していたのか」という所まで記録することができず、担当者の意図と違う内容をまとめてしまう可能性があります。また、執筆をライターさんに依頼する場合は余計にメモだけでは情報が足りないため、録音データはかなり重要になります。
黙って録音を開始するのではなく、「執筆時に参考にしますので、録音しても良いでしょうか?」と先方に聞き、了承が取れたら見える位置に録音機を置いてスタートするとスムーズではないでしょうか。
相手の話したことを要約する
インタビューにおいて、一番大切なことは「要約」です。
相手の話を聞き終わったあと、「あなたの話してくれた内容を、私はこう理解しましたが合っていますか?」と確認を入れることで、3つのメリットがあります。
- 1.自分の中で話を整理し、誤解がないことを確認できるのでスムーズに進めることができる
- 2.インタビュー中にインタビュイー と信頼関係を築きやすい
- 3.ライターさんが執筆時に書きやすい
1に関しては、自分の理解と相手の言いたいことが一致しているかという確認になります。
相手の意図と別の受け取り方をしてインタビューを進めてしまった場合、話の食い違いなどが出てきてしまう可能性があります。誤解がないかを確認することで、安心して次の話題に移れ、さらなる深掘りに繋げることができます。
2に関しては、「話の理解度を相手に伝える」ということが大きなポイントになっています。
インタビュイーは「自分の話がどれくらい伝わっているのか」が分からず不安になるものです。要約で理解度を伝えることで「この人は自分の話をきちんと理解して聞いてくれている」と安心してもらうことも出来ますし、それによって補足事項や事前準備の質問では聞き出せなかったこともすすんで話してくれる場合があります。
3に関しては、すでに要約内容が裏付けされていることによって、ライターさん自身で内容をまとめる必要がなく、第三者の主観が入らない文章になる、ということがポイントです。どうしても後から内容をまとめようとすると、その人の主観や思い込みで要約されてしまい、インタビュイー が意図している内容とずれてしまう可能性があります。
インタビューで要約にOKが出ていれば、それを防ぐことができるので記事の書き直しや差し戻しの手間をなくすことができます。
要約するときの大きなポイントは、「相手の言葉を使って話をまとめてあげること」です。
別の言葉で言い換えてしまうとニュアンスが変わってしまい、「いやそうではなく…」と話がややこしくなったり進まなくなってしまうことがあるからです。
相手の言葉を使って話をまとめることで、相手は「自分の話が理解され、受け入れられている」という感覚を持ちます。そのためインタビューで信頼関係を築きやすくなるのです。
今まで意識してやったことがない、という方はぜひ一度意識してみてはいかがでしょうか。
話を深掘りする

改善実績 などの具体的な話も大切ですが、その時どう思っていたのか・どうして改善したかったのかなど、インタビュイーがその時感じていた「気持ち」も聞いていくと、ただ単に事実だけが載ったコンテンツではなく読み応えがあるものになります。
「気持ち」の部分が読み手側の悩みと近かった場合、自然と共感文になってコンテンツに一層興味を持ってくれることもあるので、淡々と聞き出すのではなく、「なぜ」「どうして」を挟んでいきましょう。
事前準備で想定した答えが返ってこなかった場合
事前に用意した質問に沿ってインタビューを進めていきますが、こちらが想定した答えが返ってこない場合もあります。その場合は、まず落ち着いて話を聞きましょう。相手の伝えたいことが何なのかをしっかり理解することに重点を置き、考えてきたページ構成と変更しても問題がないのか、どこかで補足として付け加える形で掲載することができるのかをその場で判断することができます。
また、「自分はこう考えてきたけど違った」ことに対して、どうしてなのかを聞くことも深堀りになります。
とにかく慌てずに、軌道修正ができるだけの情報をその場でなるべく多くとりましょう。
常にページの完成形をイメージしつつ、インタビューを進めることが大切です。
2-1では要約が大切という内容をご紹介しましたが、ほしい回答が来なかったときのテクニックとして「要約の最後のまとめ「こういうことですよね?」の部分を、自分がほしい内容に近づけてYESをもらいにいく」という方法もあります。あまり強引に内容を逸らしてしまうと「違う」と言われてしまう可能性もありますが、そもそもインタビュイー自身が話をまとめきれていない場合もありますので、コンテンツ内で伝えたい内容が伝えられるように誘導してあげるのも良いと思います。
ライターへの執筆指示のコツ
前項ではインタビュー当日のテクニックをご紹介しました。
3章ではコンテンツ制作のまとめ部分、「ライティング指示」についてご紹介していきたいと思います。
執筆の部分には正直あまり時間をかけたくない、と思われる方も多いのではないでしょうか。
特に自分で執筆するのではなく、ライターさんにお願いする場合はリテイクが多くならないように注意しなければなりません。
執筆の指示書になるべく多くの情報を記す
「取材準備時に、ページの完成予想を立てる」とお話をしましたが、執筆指示ではそれをなるべく言語化して記すことが大切です。
- どういう話の流れで紹介をしたいのか、構成を伝える
- インタビュイーの話の中の「ここからここまで」の部分を使ってほしいと具体的な箇所を指定する
私が実際にインタビューを行い、複数のライターさんとやり取りをしていた際、書きにくい指示書はどんなものかを全員に聞いたことがあります。
共通で返ってきた回答は、「取材中のメモ書き(単語の羅列)しか残されていないもの」でした。
メモに残された言葉を使ってほしいのは分かるが、構成指示がないとライター自身の主観で構成しなければならなくなり、困ることが多いそうです。
実際にそれで書いたとしても、インタビュアーが意図した構成になることが少なく、リテイクになってしまい双方の時間の無駄になる、とのことでした。
インタビューの録音があったとしても、具体的な指示もなくそれを使って書き上げてほしい、なんてライター側の視点で考えてみれば無理難題です。
自分の頭の中でどういう構成になっていたのかをなるべくしっかり残してあげると、あがってきた原稿にずれがなく、1回で完成まで持っていける可能性が高くなります。
時間をかけたくないあまり、書いてほしい単語を羅列してライターに渡してしまうという方もいるかもしれませんが、ここをサボらずに行うことが一番の近道になると思います。
インタビュー記事の見せ方
インタビュー記事コンテンツの印象を左右するのは、「視点」ではないでしょうか。客観的視点で書くのか、インタビュイーの主観的視点で書くのかなど、それによって与える印象も変わってきます。
代表的なインタビュー記事の見せ方は下記の3つがあります。
- ① インタビュイー視点
- ② インタビュアー視点
- ③ QA形式(対談形式)
本章では、それぞれの見せ方のメリット・デメリットを紹介していきます。読み手にどういった印象を与えたいかによって、使い分けをしていきましょう。
① インタビュイー視点

●メリット:熱量が伝わりやすい
その人が話しているように文章を作っていくので、伝えたいことなどを熱く表現することができます。
また、その時に感じていた心情なども当事者として発信できるので、納得感をあげられる効果も期待できます。
●デメリット:文章が長くなってしまい、読みにくくなりがち
うまく区切りをつけて執筆をしないと長くなり、読まれにくくなってしまう可能性があります。
② インタビュアー視点

●メリット:状況をより細かく伝えることができる
担当者してではなく、第三者としてその発言を聞いている体で執筆をすると、客観的な文章になるためオススメです。その時話している温度感を文章で表すことができ、さまざまな描写でその状況を再現することができます。
●デメリット:自分ごととしてコンテンツを読みにくい
話しているインタビュイーを外から描写しているため、やや淡々とした印象のコンテンツになるのではないでしょうか。ただ、そのほうが読みやすいという方もいると思うので、一概にデメリットと言い切らなくても良いと思います。
③ QA形式(対談形式)

●メリット:テンポよく読み進められる
短い文章でのやり取りは、読み手に何かを考えさせたりすることがないので読み進めるのが楽です。
●デメリット:縦に長くなってしまいがち
この文体だと、気がついたら対話が多すぎて長くなりすぎていた、なんて後から気がつくことも少なくありません。
QA(対談)形式に向いているのは、伝えたいことが事実事象のみの1・2個、といった深掘りしないコンテンツ制作の場合かもしれません。
このように、文体によって読み手への伝え方・コンテンツの印象などが全く異なります。
どんなふうに伝えたいのか、文章でどう見せたいのかはインタビュアー側で決め、ライターさんにはそれを伝えましょう。
まとめ
事例インタビューは、自社サービス導入で実際にどういう効果があるのか、どんな改善ができるのかを、検討している読み手側に分かりやすく伝えられるコンテンツのひとつとなっています。
より分かりやすく・魅力的に紹介できるよう、見せ方や内容の作戦を練ってみてはいかがでしょうか。
ここまで自社でコンテンツを制作するためのノウハウをお伝えしましたが、もし手が回らない!という方はぜひ弊社にお任せください。
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