このページをご覧になっている方の多くは、自社サイトへの集客を増やすためには、「SEO対策としてのキーワード選定が重要である」ということをすでにご存知なのではないでしょうか。
しかし、ひとくちに、集客のためのSEOキーワード選定といっても、その目的が「認知」なのか、「CV(コンバージョン)達成」なのかによって選定すべきキーワードは変わってきます。
SEOツールだけに従ってキーワード選定を行っていては、「集客は実現したけどCV(コンバージョン)につながらない」「集客はできたけど、認知したいターゲットではない」といった課題を抱えてしまうことも多いでしょう。
最終的な目的が明確にある場合は、SEOツールだけを頼りにしてキーワード選定を行なってはいけません。キーワード戦略はあくまで、全体的なオウンドメディア戦略の中の一部だからです。
今回は、オウンドメディアからの集客をきっかけに「自社製品の売上向上につなげたい」もしくは「リードを獲得したい」とお考えの方に向けて、SEO視点だけではない、ペルソナ中心のキーワード選定の手法をご紹介します。
SEOツールだけに頼ったキーワード選定が抱える課題
Ahrefsやキーワードプランナー、KEYWORD FINDER、UberSuggest…それ以外にも、有料・無料を問わず、世の中には多くのSEOツールが存在します。弊社では主に有料ツールであるAhrefsを利用することが多いですが、これらのツールを利用することで、SEO視点でキーワード選定を行うことが格段に効率的になります。
しかし、非常に便利なこれらのツールにも弱点はあります。
- 基本的に過去の実績をベースにしているため、未来の予測はできない
- 表示される検索ボリュームは年間平均のため、キーワードリストからでは季節ごとの変動が見えづらい
- 自社サービスやペルソナと関連性の低い、またはCVにつながらないキーワードを数多く抽出してしまう
これらの弱点について、具体的にどんな課題が生まれるのかという点について、一つ一つ解説していきます。
過去の検索ボリュームデータからは、革新的なアイデアが生まれにくい
Webで検索を行う際、多くのユーザーは最新情報を知りたいと思うはずです。
急速に技術進化が起こっている業界はもちろんですが、そうでない場合も、昨今の世の中の変化のスピードはめざましいものがあります。それによって過去のデータが必ずしも参考にならない場合も多いでしょう。
普遍的なキーワードであれば、ツールを参考にすることも容易ですが、そういったキーワードは逆に、数多のコンテンツが存在しているため、自ら勝ち目の薄いレッドオーシャンに飛び込んでいくことになります。
図1)『テレワーク』というキーワードは2020年3月までは検索ボリュームが少なかった。
過去のデータだけを参考にしていては、これらのキーワードは取りこぼしてしまう。

年間平均で検索ボリュームが算出されるため、季節変動の大きいキーワードを見逃してしまう可能性がある
SEOツールでキーワード選定を行う場合に、注目すべき点のひとつとして『検索ボリューム』が挙げられます。
しかしこの検索ボリュームの数値が、年間平均で算出されるため、需要に時期の偏りがあるキーワードについては、検索ボリュームは低く算出されてしまいます。
集客を目的にコンテンツを作成するのであれば、当然検索ボリュームの多いキーワードを狙うことになりますが、この検索ボリュームの値だけを盲信してしまうと、季節変動性の高いキーワードの優先度を下げてしまう原因になりかねません。
実はキーワードの季節変動に関しては、一つ一つのキーワード詳細を確認することで、概要を把握することは可能です。しかし、通常数多くのキーワードの状況を把握する際には、複数のキーワードの状況をリストで一括して参照することの方が多いでしょう。抽出したすべてのキーワードの詳細を確認するほどの工数をかけることができる場合は少ないと思います。そのため、あらかじめツールの弱点も理解した上でキーワード選定を行う必要があります。
図2)通常下記のように多数のキーワードを一括で調査するが、この場合季節変動は見えない

図3)一つ一つのキーワード詳細を確認すると季節変動が確認できるが、
数百個以上のキーワードすべてを確認することはできない

検索ボリュームが多くても、自社のペルソナから離れているキーワードを排除していく必要がある
SEOツールでは、関連キーワードを抽出することが可能ですが、自社サービスやペルソナと関連性の低い、またはCVにつながらないキーワードも数多く抽出されます。
図4)『SEO』の関連キーワード例:用語解説を求めている人、ツールを探している人、ベンダーに依頼する際の料金が知りたい人など…ユーザーの検索意図はさまざま。自社のペルソナを理解していないと誤ったキーワードを選定してしまう。

サイト立ち上げ時など、「認知」や「啓蒙」を目的とした段階であれば、CVにつながらないキーワードであっても、そうと分かった上でCVに直結しないキーワードを使用することはあると思います。しかしここで重要なのは、「CVにつながらないキーワード」と「CVにつながるキーワード」をきちんと理解して分類しておくことです。
いくら検索ボリュームが多くても、ペルソナの思考と離れたコンテンツばかり作成していれば、検索流入数は伸ばせるかもしれませんが、そこから売上につながることは、ほぼないと言っていいでしょう。
オウンドメディアからの売上創出を行いたい場合は、どこかで必ず、集客からCVにつなげる必要があります。
そのため、サイトの成長段階に応じて、「認知・集客のためのコンテンツ」と「CVまでつなげるためのコンテンツ」の比率を検討し、その比率に応じてキーワードを選定していく必要があります。決して、SEOツールを盲信して、検索ボリュームの多いキーワードすべてを狙う方法はオススメできません。
3つすべての課題に共通して言えることは、下記です。
- SEOツールだけを盲信しないこと
- SEOを意識したコンテンツ制作であったとしても、キーワード選定は、タスクのファーストステップではない
- SEOツールだけを頼りにするのではなく、ペルソナ中心のキーワード選定を行う必要があること
次の章では、ペルソナ中心のキーワード選定について解説していきます。
ペルソナ中心のキーワード選定を行うべき理由とは
1章では、非常に便利なSEOツールも、現時点では万能ではないという点について解説してきました。
その弱点をカバーするために必要なことのひとつが、ペルソナ中心のキーワード選定となります。またこの手法は、オウンドメディア戦略の本質にも通ずる部分があります。SEOツールの弱点カバーという点だけにおいては、別の手段を取ることも可能ですが、オウンドメディアからの売上創出を目的とする場合は、結局はペルソナ中心に考えていく必要があります。本章では、ペルソナ中心にキーワード選定を行うべき理由を解説していきます。
誤ったキーワードを選定するとSEOランキングに悪影響を与える可能性がある
たとえばユーザーがWeb上で『SEO対策とは』というキーワードでGoogle検索を行ったとします。
その際ユーザーは、『SEO対策とはなにか?』という基本的な情報を知りたくてWebで情報収集をしています。
しかし、検索結果の一覧の中から、ひとつのリンクをクリックし、サイトAに訪問した際、そのサイトでSEOツールの販促ばかりが行われていたらどうでしょうか。
ユーザーは「自分の質問にこのサイトは答えてくれない」と感じ、すぐに直帰し、10秒以内に改めて検索結果一覧の中から別のリンクをクリックして、サイトBに訪れることになるでしょう。
こういったユーザーの行動は皆さんにも経験があるのではないでしょうか。このようなケースが多発すれば、サイトのランク低下に大きな影響を与えます。
サイトAは、SEOの販促を行うページで『SEO対策とは』というキーワードを使うべきではありませんでした。
たとえ検索ボリュームが多くても、自社のペルソナにそぐわないキーワードを多用することは、集客から得られるメリットよりもリスクの方が大きくなります。単に売上につながらないというだけでなく、Webサイトの品質低下に直結するからです。
単純なトラフィック数増加よりも、顧客維持率に焦点を当てることがコスト削減・売上創出につながる
さまざまなマーケティング活動において、顧客満足度の向上は重要なテーマですが、それは、オンラインコンテンツにとっても同様です。
単純なトラフィック数の増加が、売上向上に直結しないという点については、すでに解説をしてきました。では、顧客維持率が向上した場合、どんな影響があるかについて、2つのデータをご紹介します。
●顧客維持率が2%向上すると、コストが10%減少する(図5)
出典:CLARABRIDGE
●顧客とのエンゲージメントが向上すれば、そうでない場合と比較して、1人あたり40%以上の利益を生む(図6)
出典:CLARABRIDGE
これらのデータから分かる通り、オンラインコンテンツにおいても、セッション数増加だけを狙ってキーワード選定を行うのではなく、定期的に自社サイトに訪れてくれるユーザーをいかに獲得していくか、がポイントになります。
それには、自社が提供できる価値を理解した上で、自社の優良顧客となり得るペルソナを分析する必要があります。
その上で、ペルソナを起点に、軸となるキーワードを見つけることと、購買フローの次の段階へ転換するためのキーワードを選定していくことが必要になります。
ペルソナ中心にキーワードを選定すれば、SEOだけでなく、SNSやメルマガでの情報発信にも役立てる
キーワード戦略は、なにもSEOだけのためではありません。広くオウンドメディア戦略の中においては、すべてのタッチポイントで一貫したメッセージを発信する必要があります。ペルソナに刺さるキーワードは、Web上だけでなく、SNSやメルマガ上であっても、注目を集めるはずです。
SNSやメルマガは、ユーザーのロイヤルティーを高めるために非常に効果の高いメディアです。それらの運用を行う際に、SEOでの成功例を横展開することで効率的になり、コスト削減や売上向上への近道となります。
CV達成まで導くコンテンツ制作に役立つキーワード選定手順
本章では、ペルソナを中心に考えたキーワード選定の手順概要を紹介します。
(弊社からご提供している記事作成のパッケージにも、キーワード選定が含まれますので、ご興味があれば下記からダウンロードして詳細をご覧ください。)
<手順概要>
1)ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成する
2) カスタマージャーニーの各段階での、ペルソナのニーズから軸となるキーワードを選定する
この工程がもっとも重要です。ペルソナ本人か、もしくは営業やカスタマーサポートなどのペルソナに近い人とブレストをしながら、購買フローの段階(潜在・顕在・比較検討・購入後)ごとに、軸となるキーワードを見つけていきます。
もしくは、SNSやECサイトなどの製品レビューで、ペルソナ自身がどんなことに言及しているかを覗きにいくこともヒントになります。
3) 軸となるキーワードから関連キーワードのアイデアを広げていく
- SEOツールで関連キーワードを抽出する
- 競合サイトに流入しているキーワードをSEOツールで調査する
- サジェストキーワードからヒントを得る
など
4) 3でリストアップしたキーワードを一覧化し、優先度によってポイント付けを行う
その際、最低限以下の項目が必要です。
- キーワード
- カスタマージャーニーの段階
- サイトや製品との関連度(関連性が高いものは加点)
- 検索ボリューム(検索ボリュームが多いものは加点)
- 競合(競合が強すぎる場合は減点)
- 難易度(難易度が高すぎる場合は減点)
5) 抽象的なキーワードや、ペルソナのニーズから遠いキーワードを排除する
6) ユーザーの検索意図によってキーワードを分類する(同一キーワードが複数ページで重複しないよう注意する)
その際のヒントとなるのは以下です。
- 実際に検索をしてみて、上位にランキングされているサイトを調査する
- 「とは・方法・手順・理由・費用・料金・メリット…」など、ニーズごとに分類する
この分類結果をベースに、この後コンテンツ戦略に進むことができます。
これら、2〜6の工程を必要に応じて繰り返しながら、キーワードリストの精度を上げていきます。忘れてはいけないのは、検索ボリュームが多いからといってペルソナに関連性が低いキーワードは選ばないということと、必ずカスタマージャーニーのすべての段階ごとにキーワードを選定することです。
おそらく、購買フローの段階が進むにつれて、検索ボリュームの少ないロングテールワードが増えていくと思います。
そしてそれらのキーワードは、ペルソナを次の段階に転換し、CVまで導くために必要な、重要なキーワードとなります。そういったキーワードを見つけるために、手順2でご紹介したような方法での、ペルソナへの深い理解が必要になるのです。
キーワード選定が含まれた、パッケージの詳細は下記からダウンロードできます。
よくあるQ&A
Q1. キーワードをたくさん使用すればSEOに有利になる?
答えはNOです。キーワードの乱用は、サイトのランキングに悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、見出しにキーワードを無理に使用した場合の例が図7ですが、このような見出しが並べば、煩わしいと感じる人の方が多いと思います。
図7)見出しにキーワードを無理に使用した場合の例
Googleは、このように自然でないキーワードの乱用に対して明確に、「ユーザーにとってネガティブな体験となり、サイトのランキングに悪影響を及ぼす可能性がある。」と明言しています。また同時に、文脈に沿って有益で情報量の多いコンテンツを作成することに重点を置くことが大事だと述べています。
Q2. 検索ボリュームの少ないキーワードを選定すべきか否か
弊社では、検索ボリュームが少ないキーワードであっても、ユーザーを購買フローの次の段階へ転換できるキーワードであれば選定すべきだと考えています。
検索ボリュームの多い、ビッグワードばかり狙っていては、いつまで経ってもユーザーのロイヤルティーが高まることはないと考えているからです。ユーザーニーズが細分化されていき、ロングテールキーワードが年々重要性を増していく昨今においては、潜在顧客を集客するためのビッグワードとは別に、明確に課題を抱えた顧客に対してアプローチするためのロングテールキーワードを選定する必要があります。そのためにはやはり、ペルソナを深く理解することが必須です。
Q3. キーワードカニバリゼーションへの対処方法は?
キーワードカニバリゼーションは、Webサイトの各コンテンツに類似のキーワードが多い場合に発生します。このような場合、Googleはどのコンテンツを上位にランク付けすべきかを判断できず、Webマスターが意図しないページのランクが高くなったり、もしくは類似キーワードを含むすべてのコンテンツのランクが下がってしまったりすることがあります。
<修正方法>
- 「site:www.(自社サイトのドメイン).com/ キーワード」でGoogle検索を実行し、カニバリゼーションを起こしているページを特定する
- 不要なページの削除、もしくは類似コンテンツのマージを行う
*ページ削除、マージができない理由があれば、301リダイレクトで対応も可 - 内部リンク構造を修正する
Googleはリンクが集まるページを重要度が高いと理解するため、重要度が低いコンテンツから優先させたいコンテンツへ内部リンクを追加する(逆に概要を説明した親記事から、詳細を説明した子記事へのリンクも有効)
ほかにも、Canonicalタグを設定する方法や、重要性の低いページへの被リンクを変更依頼するなどの方法もありますが、どちらも実行に躊躇する施策でしょう。キーワードカニバリゼーションの問題は、修正に工数がかかることが多く、深刻な問題です。そのため、できれば事前にキーワードの棲み分けを行い、発生を回避することが理想です。
事前にキーワードの棲み分けを行うためには、やはり最初のキーワード戦略で、目的とペルソナに応じたキーワードの洗い出しと、3章(6)でご紹介したキーワードの分類が重要になります。
トランスコスモスでは、キーワード選定も含めた記事作成パッケージをご提供しています。
詳細は下記からダウンロードしてください。