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  • SEOだけじゃない!適切なキーワード選定でオウンドメディアを成功に導く方法 ― 2021年版

    SEOだけじゃない!適切なキーワード選定でオウンドメディアを成功に導く方法 ― 2021年版

    このページをご覧になっている方の多くは、自社サイトへの集客を増やすためには、「SEO対策としてのキーワード選定が重要である」ということをすでにご存知なのではないでしょうか。
    しかし、ひとくちに、集客のためのSEOキーワード選定といっても、その目的が「認知」なのか、「CV(コンバージョン)達成」なのかによって選定すべきキーワードは変わってきます。

    SEOツールだけに従ってキーワード選定を行っていては、「集客は実現したけどCV(コンバージョン)につながらない」「集客はできたけど、認知したいターゲットではない」といった課題を抱えてしまうことも多いでしょう。
    最終的な目的が明確にある場合は、SEOツールだけを頼りにしてキーワード選定を行なってはいけません。キーワード戦略はあくまで、全体的なオウンドメディア戦略の中の一部だからです。

    今回は、オウンドメディアからの集客をきっかけに「自社製品の売上向上につなげたい」もしくは「リードを獲得したい」とお考えの方に向けて、SEO視点だけではない、ペルソナ中心のキーワード選定の手法をご紹介します。

    SEOツールだけに頼ったキーワード選定が抱える課題

    Ahrefsやキーワードプランナー、KEYWORD FINDER、UberSuggest…それ以外にも、有料・無料を問わず、世の中には多くのSEOツールが存在します。弊社では主に有料ツールであるAhrefsを利用することが多いですが、これらのツールを利用することで、SEO視点でキーワード選定を行うことが格段に効率的になります。

    しかし、非常に便利なこれらのツールにも弱点はあります。

    • 基本的に過去の実績をベースにしているため、未来の予測はできない
    • 表示される検索ボリュームは年間平均のため、キーワードリストからでは季節ごとの変動が見えづらい
    • 自社サービスやペルソナと関連性の低い、またはCVにつながらないキーワードを数多く抽出してしまう

    これらの弱点について、具体的にどんな課題が生まれるのかという点について、一つ一つ解説していきます。

    過去の検索ボリュームデータからは、革新的なアイデアが生まれにくい

    Webで検索を行う際、多くのユーザーは最新情報を知りたいと思うはずです。
    急速に技術進化が起こっている業界はもちろんですが、そうでない場合も、昨今の世の中の変化のスピードはめざましいものがあります。それによって過去のデータが必ずしも参考にならない場合も多いでしょう。
    普遍的なキーワードであれば、ツールを参考にすることも容易ですが、そういったキーワードは逆に、数多のコンテンツが存在しているため、自ら勝ち目の薄いレッドオーシャンに飛び込んでいくことになります。

    図1)『テレワーク』というキーワードは2020年3月までは検索ボリュームが少なかった。
       過去のデータだけを参考にしていては、これらのキーワードは取りこぼしてしまう。
    「テレワーク」というキーワードの検索ボリューム推移

    年間平均で検索ボリュームが算出されるため、季節変動の大きいキーワードを見逃してしまう可能性がある

    SEOツールでキーワード選定を行う場合に、注目すべき点のひとつとして『検索ボリューム』が挙げられます。
    しかしこの検索ボリュームの数値が、年間平均で算出されるため、需要に時期の偏りがあるキーワードについては、検索ボリュームは低く算出されてしまいます。

    集客を目的にコンテンツを作成するのであれば、当然検索ボリュームの多いキーワードを狙うことになりますが、この検索ボリュームの値だけを盲信してしまうと、季節変動性の高いキーワードの優先度を下げてしまう原因になりかねません。

    実はキーワードの季節変動に関しては、一つ一つのキーワード詳細を確認することで、概要を把握することは可能です。しかし、通常数多くのキーワードの状況を把握する際には、複数のキーワードの状況をリストで一括して参照することの方が多いでしょう。抽出したすべてのキーワードの詳細を確認するほどの工数をかけることができる場合は少ないと思います。そのため、あらかじめツールの弱点も理解した上でキーワード選定を行う必要があります。

    図2)通常下記のように多数のキーワードを一括で調査するが、この場合季節変動は見えない
    SEOツール(Ahrefs)でキーワードを一括調査した結果

    図3)一つ一つのキーワード詳細を確認すると季節変動が確認できるが、
    数百個以上のキーワードすべてを確認することはできない
    SEOツール(Ahrefs)でキーワード詳細調査した結果

    検索ボリュームが多くても、自社のペルソナから離れているキーワードを排除していく必要がある

    SEOツールでは、関連キーワードを抽出することが可能ですが、自社サービスやペルソナと関連性の低い、またはCVにつながらないキーワードも数多く抽出されます。

    図4)『SEO』の関連キーワード例:用語解説を求めている人、ツールを探している人、ベンダーに依頼する際の料金が知りたい人など…ユーザーの検索意図はさまざま。自社のペルソナを理解していないと誤ったキーワードを選定してしまう。
    SEOツールで抽出されるキーワードは珠玉混合

    サイト立ち上げ時など、「認知」や「啓蒙」を目的とした段階であれば、CVにつながらないキーワードであっても、そうと分かった上でCVに直結しないキーワードを使用することはあると思います。しかしここで重要なのは、「CVにつながらないキーワード」と「CVにつながるキーワード」をきちんと理解して分類しておくことです。

    いくら検索ボリュームが多くても、ペルソナの思考と離れたコンテンツばかり作成していれば、検索流入数は伸ばせるかもしれませんが、そこから売上につながることは、ほぼないと言っていいでしょう。

    オウンドメディアからの売上創出を行いたい場合は、どこかで必ず、集客からCVにつなげる必要があります。
    そのため、サイトの成長段階に応じて、「認知・集客のためのコンテンツ」と「CVまでつなげるためのコンテンツ」の比率を検討し、その比率に応じてキーワードを選定していく必要があります。決して、SEOツールを盲信して、検索ボリュームの多いキーワードすべてを狙う方法はオススメできません。

    3つすべての課題に共通して言えることは、下記です。

    • SEOツールだけを盲信しないこと
    • SEOを意識したコンテンツ制作であったとしても、キーワード選定は、タスクのファーストステップではない
    • SEOツールだけを頼りにするのではなく、ペルソナ中心のキーワード選定を行う必要があること

    次の章では、ペルソナ中心のキーワード選定について解説していきます。

    ペルソナ中心のキーワード選定を行うべき理由とは

    1章では、非常に便利なSEOツールも、現時点では万能ではないという点について解説してきました。
    その弱点をカバーするために必要なことのひとつが、ペルソナ中心のキーワード選定となります。またこの手法は、オウンドメディア戦略の本質にも通ずる部分があります。SEOツールの弱点カバーという点だけにおいては、別の手段を取ることも可能ですが、オウンドメディアからの売上創出を目的とする場合は、結局はペルソナ中心に考えていく必要があります。本章では、ペルソナ中心にキーワード選定を行うべき理由を解説していきます。

    誤ったキーワードを選定するとSEOランキングに悪影響を与える可能性がある

    たとえばユーザーがWeb上で『SEO対策とは』というキーワードでGoogle検索を行ったとします。
    その際ユーザーは、『SEO対策とはなにか?』という基本的な情報を知りたくてWebで情報収集をしています。
    しかし、検索結果の一覧の中から、ひとつのリンクをクリックし、サイトAに訪問した際、そのサイトでSEOツールの販促ばかりが行われていたらどうでしょうか。

    ユーザーは「自分の質問にこのサイトは答えてくれない」と感じ、すぐに直帰し、10秒以内に改めて検索結果一覧の中から別のリンクをクリックして、サイトBに訪れることになるでしょう。

    こういったユーザーの行動は皆さんにも経験があるのではないでしょうか。このようなケースが多発すれば、サイトのランク低下に大きな影響を与えます。

    サイトAは、SEOの販促を行うページで『SEO対策とは』というキーワードを使うべきではありませんでした。
    たとえ検索ボリュームが多くても、自社のペルソナにそぐわないキーワードを多用することは、集客から得られるメリットよりもリスクの方が大きくなります。単に売上につながらないというだけでなく、Webサイトの品質低下に直結するからです。

    単純なトラフィック数増加よりも、顧客維持率に焦点を当てることがコスト削減・売上創出につながる

    さまざまなマーケティング活動において、顧客満足度の向上は重要なテーマですが、それは、オンラインコンテンツにとっても同様です。
    単純なトラフィック数の増加が、売上向上に直結しないという点については、すでに解説をしてきました。では、顧客維持率が向上した場合、どんな影響があるかについて、2つのデータをご紹介します。

    ●顧客維持率が2%向上すると、コストが10%減少する(図5)
    顧客維持率を向上させればコストが減少する

    出典:CLARABRIDGE


    ●顧客とのエンゲージメントが向上すれば、そうでない場合と比較して、1人あたり40%以上の利益を生む(図6)
    顧客エンゲージメント向上で売上が上がる

    出典:CLARABRIDGE

    これらのデータから分かる通り、オンラインコンテンツにおいても、セッション数増加だけを狙ってキーワード選定を行うのではなく、定期的に自社サイトに訪れてくれるユーザーをいかに獲得していくか、がポイントになります。

    それには、自社が提供できる価値を理解した上で、自社の優良顧客となり得るペルソナを分析する必要があります。
    その上で、ペルソナを起点に、軸となるキーワードを見つけることと、購買フローの次の段階へ転換するためのキーワードを選定していくことが必要になります。

    ペルソナ中心にキーワードを選定すれば、SEOだけでなく、SNSやメルマガでの情報発信にも役立てる

    キーワード戦略は、なにもSEOだけのためではありません。広くオウンドメディア戦略の中においては、すべてのタッチポイントで一貫したメッセージを発信する必要があります。ペルソナに刺さるキーワードは、Web上だけでなく、SNSやメルマガ上であっても、注目を集めるはずです。
    SNSやメルマガは、ユーザーのロイヤルティーを高めるために非常に効果の高いメディアです。それらの運用を行う際に、SEOでの成功例を横展開することで効率的になり、コスト削減や売上向上への近道となります。

    CV達成まで導くコンテンツ制作に役立つキーワード選定手順

    本章では、ペルソナを中心に考えたキーワード選定の手順概要を紹介します。
    (弊社からご提供している記事作成のパッケージにも、キーワード選定が含まれますので、ご興味があれば下記からダウンロードして詳細をご覧ください。)

    <手順概要>
    1)ペルソナカスタマージャーニーマップを作成する

    2) カスタマージャーニーの各段階での、ペルソナのニーズから軸となるキーワードを選定する
    この工程がもっとも重要です。ペルソナ本人か、もしくは営業やカスタマーサポートなどのペルソナに近い人とブレストをしながら、購買フローの段階(潜在・顕在・比較検討・購入後)ごとに、軸となるキーワードを見つけていきます。
    もしくは、SNSやECサイトなどの製品レビューで、ペルソナ自身がどんなことに言及しているかを覗きにいくこともヒントになります。

    3) 軸となるキーワードから関連キーワードのアイデアを広げていく

    • SEOツールで関連キーワードを抽出する
    • 競合サイトに流入しているキーワードをSEOツールで調査する
    • サジェストキーワードからヒントを得る
      など

    4) 3でリストアップしたキーワードを一覧化し、優先度によってポイント付けを行う
    その際、最低限以下の項目が必要です。

    • キーワード
    • カスタマージャーニーの段階
    • サイトや製品との関連度(関連性が高いものは加点)
    • 検索ボリューム(検索ボリュームが多いものは加点)
    • 競合(競合が強すぎる場合は減点)
    • 難易度(難易度が高すぎる場合は減点)
    キーワード一覧表の例

    5) 抽象的なキーワードや、ペルソナのニーズから遠いキーワードを排除する

    6) ユーザーの検索意図によってキーワードを分類する(同一キーワードが複数ページで重複しないよう注意する)
    その際のヒントとなるのは以下です。

    • 実際に検索をしてみて、上位にランキングされているサイトを調査する
    • 「とは・方法・手順・理由・費用・料金・メリット…」など、ニーズごとに分類する
      この分類結果をベースに、この後コンテンツ戦略に進むことができます。

    これら、2〜6の工程を必要に応じて繰り返しながら、キーワードリストの精度を上げていきます。忘れてはいけないのは、検索ボリュームが多いからといってペルソナに関連性が低いキーワードは選ばないということと、必ずカスタマージャーニーのすべての段階ごとにキーワードを選定することです。

    おそらく、購買フローの段階が進むにつれて、検索ボリュームの少ないロングテールワードが増えていくと思います。
    そしてそれらのキーワードは、ペルソナを次の段階に転換し、CVまで導くために必要な、重要なキーワードとなります。そういったキーワードを見つけるために、手順2でご紹介したような方法での、ペルソナへの深い理解が必要になるのです。

    キーワード選定が含まれた、パッケージの詳細は下記からダウンロードできます。

    よくあるQ&A

    Q1. キーワードをたくさん使用すればSEOに有利になる?

    答えはNOです。キーワードの乱用は、サイトのランキングに悪影響を及ぼす可能性があります。
    たとえば、見出しにキーワードを無理に使用した場合の例が図7ですが、このような見出しが並べば、煩わしいと感じる人の方が多いと思います。

    図7)見出しにキーワードを無理に使用した場合の例
    見出しに無理やりキーワードを追加した例

    Googleは、このように自然でないキーワードの乱用に対して明確に、「ユーザーにとってネガティブな体験となり、サイトのランキングに悪影響を及ぼす可能性がある。」と明言しています。また同時に、文脈に沿って有益で情報量の多いコンテンツを作成することに重点を置くことが大事だと述べています。

    Q2. 検索ボリュームの少ないキーワードを選定すべきか否か

    弊社では、検索ボリュームが少ないキーワードであっても、ユーザーを購買フローの次の段階へ転換できるキーワードであれば選定すべきだと考えています。
    検索ボリュームの多い、ビッグワードばかり狙っていては、いつまで経ってもユーザーのロイヤルティーが高まることはないと考えているからです。ユーザーニーズが細分化されていき、ロングテールキーワードが年々重要性を増していく昨今においては、潜在顧客を集客するためのビッグワードとは別に、明確に課題を抱えた顧客に対してアプローチするためのロングテールキーワードを選定する必要があります。そのためにはやはり、ペルソナを深く理解することが必須です。

    Q3. キーワードカニバリゼーションへの対処方法は?

    キーワードカニバリゼーションは、Webサイトの各コンテンツに類似のキーワードが多い場合に発生します。このような場合、Googleはどのコンテンツを上位にランク付けすべきかを判断できず、Webマスターが意図しないページのランクが高くなったり、もしくは類似キーワードを含むすべてのコンテンツのランクが下がってしまったりすることがあります。

    <修正方法>
    • 「site:www.(自社サイトのドメイン).com/ キーワード」でGoogle検索を実行し、カニバリゼーションを起こしているページを特定する
    • 不要なページの削除、もしくは類似コンテンツのマージを行う
      *ページ削除、マージができない理由があれば、301リダイレクトで対応も可
    • 内部リンク構造を修正する

    Googleはリンクが集まるページを重要度が高いと理解するため、重要度が低いコンテンツから優先させたいコンテンツへ内部リンクを追加する(逆に概要を説明した親記事から、詳細を説明した子記事へのリンクも有効)

    ほかにも、Canonicalタグを設定する方法や、重要性の低いページへの被リンクを変更依頼するなどの方法もありますが、どちらも実行に躊躇する施策でしょう。キーワードカニバリゼーションの問題は、修正に工数がかかることが多く、深刻な問題です。そのため、できれば事前にキーワードの棲み分けを行い、発生を回避することが理想です。

    事前にキーワードの棲み分けを行うためには、やはり最初のキーワード戦略で、目的とペルソナに応じたキーワードの洗い出しと、3章(6)でご紹介したキーワードの分類が重要になります。

    トランスコスモスでは、キーワード選定も含めた記事作成パッケージをご提供しています。

    詳細は下記からダウンロードしてください。

  • オウンドメディアの運用は難しい!?記事作成・運用のポイントを解説

    オウンドメディアの運用は難しい!?記事作成・運用のポイントを解説

    「自社でオウンドメディアを運用しているが、戦略・戦術がうまく立てられない」
    「オウンドメディアの成果が出せていない」
    「自社で運用や記事制作ができるリソースがない」
    このような課題はございませんか?

    今回は、オウンドメディアの記事運用に焦点を当て、どれほどのメリットを得られるかや、記事運用のポイントを実例を交えながら解説していきます。

    なぜ今オウンドメディアが注目されているのか?

    近年、オウンドメディアを運営・運用する企業は増えています。株式会社ベーシックによる「オウンドメディア実態調査」によると、BtoB企業の4割がオウンドメディアを「運営している」と回答しました。さらに「今後運営する予定がある」と回答した層を含むと、約6割がオウンドメディア運営・運用に対して前向きな結果となっています。

    2019年11月6~13日実施「オウンドメディア実態調査」調査結果
    図 1:2019年11月6~13日実施「オウンドメディア実態調査」調査結果

    出典:株式会社ベーシック

    そもそも、なぜ今オウンドメディアが注目されているのでしょうか。

    その理由は、「コンテンツマーケティング」というマーケティング手法への関心が高まっているためです。
    コンテンツマーケティングとは、ターゲットにとって価値があるコンテンツを通じて、自社のファンになってもらい、適切なタイミングで購買へと結びつけるマーケティング手法です。
    オウンドメディアは、このコンテンツマーケティングの手段の1つのため、オウンドメディアへの注目も高まっているのです。

    コンテンツマーケティングの概要や注目される背景、メリットについて、詳しくはこちらをご覧ください。
    ➩『 コンテンツマーケティングとは?メリット・デメリットから戦略手法までを徹底解説


    オウンドメディアの記事運用のメリット

    では具体的に、オウンドメディアを運用することで、どのようなメリットがあるでしょうか。
    ここからは、オウンドメディアの記事運用について掘り下げ、具体的なメリットをお伝えしていきます。

    検索順位上位への表示に伴う、サイト流入数の増加

    SEOを意識した記事作成を実施・継続することで、検索順位が上がり、ページの流入数も向上します。SEOを意識した記事作成とは、ユーザーのニーズを汲んだキーワード選定や記事テーマ選定、記事の信頼性、オリジナリティ、URLなど様々なSEO対策を意識して記事を作成することです。

    普通、オウンドメディアの運用は、成果が出るまでに記事公開後1年以上~2年未満かかると言われています。しかし、ユーザーの検索意図とターゲットとするキーワードを練った上で記事を制作すると、短期間でも成果が出ることがあるのです。

    例えば以下の成功事例があります。

    ①記事公開1ヶ月で強調スニペット表示を複数獲得!

    記事公開後、たった1ヶ月で強調スニペット表示を複数獲得した事例があります。
    強調スニペットとは、検索キーワードに対する明確な回答を、信頼性の高いWebページから抽出してGoogle検索結果の上部に強調表示する仕組みのことです。

    強調スニペット
    図 5:強調スニペット

    検索した際に、一番上に表示されたWebページをクリックしたご経験はないでしょうか。このように、上位に表示されればされるほど、クリックされる確率は高くなると言われています。
    実際、検索順位がアップしたことで、流入数も大きく増加した事例がいくつかあります。その一例が以下2つです。

    ②3ヶ月で検索順位40位→2位への検索順位アップを実現!

    記事公開月には、検索順位40位だった記事が、3ヶ月後には2位へと検索順位アップしました。検索順位がアップしただけでなく、オーガニック(自然検索)流入数も2ヶ月で6倍増加したのです。

    ③記事運用開始6ヶ月でオーガニック検索からのサイト流入数が599%アップ!

    記事運用開始6ヶ月後には、オーガニック検索からのサイト流入数が599%も大幅にアップした事例もあります。SEOを意識した記事運用によって検索順位上位へ表示され、サイト全体の流入数増加も実現できるのです。

    集客に広告費がかからない

    広告掲載だと、掲載し続けるには広告費が必要です。しかしオウンドメディアの運用だと広告費は必要ありません。
    なおオウンドメディアの運用は、基本的に初期費用と運用費用(人件費やサーバー費、各種ツール類の固定費)を除いて費用がかかりません。一方で広告運用は、上記に加えて、出稿する度に費用がかかり、クリック数によって費用に変動もあります。
    つまり、オウンドメディアの運用は、最初に体制さえ組んでしまえば、一定の費用のままで運用を継続できるのです。

    その他にも、続けるほど費用対効果が高くなるというメリットもあります。

    このような成果を最大限引き出すオウンドメディア運用を目指し、トランスコスモスでは、キーワード選定から記事作成までを一貫して提供する記事作成パッケージをご提案しております。キーワード選定から公開まで全てを当社が代行し、成果の達成を目指します。
    オウンドメディアの運用でお悩みがあれば、ぜひご相談ください。


    オウンドメディアの記事作成フロー

    では、オウンドメディアの成果を最大限引き出すために行うべき、記事作成フローについてお伝えします。
    記事作成のフロー

    図 7:記事作成のフロー


    <STEP1>ターゲットキーワード選定

    オウンドメディアの立ち上げの際に設定したペルソナを基に選定します。
    ペルソナの設定方法はこちらで詳しく解説しています。
    ⇨ 『『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    ペルソナが抱える悩みを洗い出し、どのようなニーズを抱えているかを考えます。
    次に、その悩み・ニーズを解決したいペルソナが、検索しそうなキーワードを書き出します。
    そして、書き出したキーワードの検索意図やWebサイト・商品・サービスへの関連度、キーワード難易度や月間検索ボリュームなどを調べ、対策したいキーワードの一覧を作成します。

    <STEP2>原稿テーマ一覧作成

    STEP1で選定したキーワードから、原稿のテーマ(記事内容)を検討します。
    まずは、キーワードを同じ検索意図やカテゴリごとに分類します。そして、その分類ごとに大まかなテーマを考えます。
    さらにそのテーマごとに、ターゲット・タイトル案・狙っているユーザーの検索意図・対策キーワードを整理し、原稿テーマ一覧を作成します。

    <STEP3>記事作成の準備

    次のSTEPからの競合調査~本番公開までのスケジュールを記事(原稿テーマ)ごとに立てます。
    また、ライターのアサインも行います。外部委託でライターを手配する場合には、どのような基準でライター選定を行うか、社内の基準も定義しておく必要があります。

    <STEP4-1>競合調査

    このSTEPからは、記事を1つ1つ作成していく工程です。
    まず競合調査では、STEP2で決めた、記事の対策キーワードを実際に検索してみます。
    その際、検索順位上位に表示されているページについて、なぜ上位に表示されているのかを分析します。上位に表示されているということは、Googleの評価が良いということであるため、良い点を記事制作の参考にしましょう。
    また、検索結果に並ぶコンテンツの傾向も掴みます。

    <STEP4-2>構成案の作成

    構成案とは、記事の「設計書」のことです。構成案の作成によって、どのような流れで検索意図に応える内容にするか、対策したいキーワードをどう入れ込むか、を練ることができます。
    競合調査で掴んだ記事の方向性や内容を踏まえながら、記事の流れを構成案として落とし込みます。

    <STEP5>ライティング

    構成案を基に原稿を作成します。
    原稿作成後は、コンテンツの質や対策キーワードの含有量などを競合Webサイトと比較しながら記事をチェックします。SEO効果のある記事へと調整していきます。

    また、文章だけでは伝わりづらい箇所には、グラフや図版を作成します。
    視覚的に分かるコンテンツは、ユーザーにとって分かりやすさが高まるため、SEO観点でも評価の高いコンテンツとなります。なおGoogleは、独自で作成した画像(グラフや図版)の掲載を推奨しています。SEO観点でも価値があるコンテンツと認識されれば、Googleの画像検索で表示され、画像検索からも流入を狙うことができます。

    <STEP6>公開

    ライティングの原稿をWebページ上へ反映します。
    公開前にまずはテスト環境で反映します。テスト環境のWebページによって、文章や表示などを関係各所で確認します。問題なければ、本番環境で公開します。

    オウンドメディアの運用のポイント

    実際に記事を作成しようとしても、「記事・コンテンツの質を保つのが難しい」「定期的な更新が難しい」「成果につながらない」「体制が整えられない」など、課題を感じられている方は多いのではないでしょうか。
    そこで、オウンドメディアの運用のポイントをご紹介していきます。
    ポイントは、以下の5点です。

    • 目的の設定
    • 成果の指標の定義
    • ペルソナの設計
    • 作業分担によって品質を高める
    • 効果測定による既存記事のリライト

    目的の設定

    目的の設定

    重要なポイントの1つめは、オウンドメディアの運用目的を設定することです。
    なぜなら目的によって、発信すべき記事・コンテンツ、更新頻度は異なってくるためです。さらに、「成果の指標を何とするか」も異なります。

    オウンドメディアの運用目的は様々にあります。商品を売るため、自分たちの活動を広く知ってもらいたいため、採用活動のため、ブランドのイメージを変えたいため、などが挙げられます。
    例えば、A社が「自社のランニングシューズを売るため」、B社が「採用活動のため」のオウンドメディアを運用しているとします。「売るため」のA社は、自社の商品に関係が深く、検索ボリュームの大きい「ランニング」「ジョギング」といったキーワードで検索順位上位を獲得できるような記事を作成するでしょう。そうすることで、記事を読んだユーザーが自社の商品に興味を持ち、購入へとつなげやすくなるためです。一方で「採用活動のため」のB社は、ひとりひとりの仕事への思いや願いに焦点を当てた社員インタビュー記事などを作成するでしょう。そうすることで、入社後のミスマッチを防ぐことができ、人材の定着と早期活躍を期待できるためです。
    このように、何のために何を誰に伝えたいオウンドメディアなのかが異なるだけで、アピールの仕方や内容、目標や成果は変わってくるのです。


    成果の指標の定義

    2つめは、成果の指標を何とするか、定義しておく必要があります。
    例えば、ページビューやユニークユーザーの数が伸びたとしても、それを最終目的に対する成果とは言えない場合があります。ページビューは、「ページが開かれた回数」を表すため、もしかすると同じ人が何回も見ているかもしれません。またユニークユーザーは「ページを見に来た人数」を表しますが、最後まで読まれたかどうかは測れません。
    何を測って成果とするのか、決めておくことが大切です。


    ペルソナの設計

    3つめは、Webサイト全体、もしくは記事・コンテンツごとにペルソナを設計しておくことです。
    例えば、年齢・性別・住んでいる場所・家族構成・職業・休日の過ごし方・課題など、詳しい人物像を設定していきます。このペルソナをWebサイト全体、もしくは記事・コンテンツごとに設けておくと、作成の際、「この記事を読んだ後何を受け取るか」を想像しやすくなります。ターゲットとなるユーザーのイメージを関係メンバーで共有するために、ペルソナは欠かせません。

    ペルソナの設定方法はこちらで詳しく解説しています。
    ⇨ 『『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    作業分担によって品質を高める

    4つめは、可能な限り作業分担を行うことです。前段でお伝えしたように、記事1本を作成するには様々な調査と専門知識が必要です。極端に言うと、1人でキーワード選定からライティング、公開、その後の効果測定まで全てを担うとなると、継続はとても厳しいです。
    例えば、専門知識の必要なライティングは、外部のライターに委託すると良いでしょう。その分、自社内ではライティング担当が不要になる他、競合分析や戦略立てに注力できます。コンテンツの質を高めることへとつなげられるのです。

    また重要なことは、ライティングと校正・校閲で、担当者を分けることです。ライターの原稿ですぐ公開ではなく、最低2人以上でターゲットとしているキーワードや検索意図が汲んであるか、分かりづらい箇所が無いかなど、校正・校閲を行います。

    効果測定による既存記事のリライト

    5つめは、既存記事のリライトです。リライトとは、検索エンジンの検索結果の上位に表示されるように、既存記事を修正することです。
    リライトが必要な記事とは、現状は検索順位が低いが、順位が高くなればオウンドメディアの運用目的の達成に近づくと考えられる記事です。記事を見直すべき内容は、以下などが挙げられます。

    <キーワードに関する観点>

    • タイトルに対策したいキーワードが含まれているか
    • 対策したいキーワードの検索意図は記事内容に合っているか
    • 同Webサイト内で、対策したいキーワードの重複が発生していないか
    • 対策したいキーワードとは意味のズレたキーワードを使用していないか

    <内容に関する観点>

    • Webサイトと関係のある内容か
    • 情報が古くないか
    • タイトルと記事内容が一致しているか
    • ユーザーにとって難しいワード(専門用語など)で書かれていないか
    • 同Webサイト内の別の記事と内容が重複していないか
    • 独自の情報を載せられているか

    これらをチェックしリライトを行いましょう。

    ニーズを意識した記事運用で成果を出す

    この記事では、オウンドメディア運用の「戦略がうまく立てられない」「成果が出せていない」「運用や記事制作ができるリソースがない」などの課題について対策となるポイントをご紹介してきました。

    ターゲットのニーズを意識したオウンドメディアの記事運用は、ページの流入数や検索順位が着実に上がることや、集客に広告費がかからないことだけでなく、会社の資産として活用もできるなど、多くのメリットがあります。

    それらメリットを受けるために、まず運用に重要なポイントは、「オウンドメディアの運用目的を設定すること」です。目的を設定すれば、想定すべきペルソナや、どのような記事・コンテンツをどれくらいの頻度で発信すべきかが見えてきます。また、何を測って成果とするかについても、決めやすくなります。
    その他にも、ライターの外部委託やチェック体制の徹底、作業の分担は、コンテンツの質を高め、成果の出るオウンドメディアへとつながります。
    一度成果が出なかった既存記事・コンテンツでも、キーワードや内容を見直し、リライトで修正することで、成果が出る記事・コンテンツへと生まれ変わります。ユーザーが欲しい情報とのズレを埋めることで、すぐではありませんが、確実に成果を得られるのがオウンドメディアの特徴です。

    ただポイントを実行するには、多くの専門知識や体制が必要なため、なかなか難しい面もあるのではないでしょうか。

    トランスコスモスでは、キーワード選定から記事作成までを一貫して提供する記事作成パッケージを用意しております。キーワード選定から公開まで全てを当社が代行するため、専門知識や体制を整えるご負担を抑えることが可能です。
    オウンドメディアの運用でお悩みがあれば、ぜひご相談ください。

  • 他社と差をつける!マーケティング×デザインでワンランク上のUI /UX改善

    他社と差をつける!マーケティング×デザインでワンランク上のUI /UX改善

    マーケターがデザインの知識を身に付けるべき理由

    かつてはデザインに関する知識は、デザイナーだけにあれば良いとされていました。しかし、マーケターが自社サイトで成果を出すためには、必ずデザインの知識が必要になります。
    なぜなら、88%のユーザーはサイト上で悪い体験をした後、そのサイトに再訪しないというデータがあるためです。

    ユーザーエクスペリエンスがマーケティングにとって重要である理由
    図1:ユーザーエクスペリエンスがマーケティングにとって重要である理由

    出典:https://www.webfx.com/blog/marketing/user-experience-matters-marketing/

    この資料は、アメリカでWebマーケティングを専門としているWebFX社が発表した、優れたUI /UXに含まれるさまざまな要素と、UI /UXがマーケティングの目標と戦略にどのように影響するかが記されたデータです。

    さらに、このデータは下記も示しています。

    • サイトの第一印象の94%がデザインに関連している
    • サイトの信頼性の75%は、サイト全体のデザインによって判断される

    つまり、ユーザーに信頼してもらい、自社サイトのファンになってもらうためには、たとえマーケターであってもデザインについて十分な検討をしなければならないということです。

    そうでなければ、たとえばコンテンツマーケティングを実施しようとして、有益な情報を顧客に提供しようとしても、デザインが理由で内容を読んでもらえなかったり、せっかく作ったコンテンツにたどり着いてもらえない、などの事態が起こってしまう可能性があります。これでは多大なリソースを使ってコンテンツを作成しても、見てほしい顧客に見てもらえないということになり、当然成果も上がりません。
    しかし、実際は多くのマーケターが自社サイトのデザインをどう定義すればいいかについて、悩んでいるのではないでしょうか?

    悩んでいる人が多いからこそ、マーケターがデザイン能力を身に付けることができれば、他社と大きな差をつけることができます。

    マーケティング視点でデザインを考えることは、ユーザーの体験価値(UX)の向上につなげ、最終的にユーザーをCV (コンバージョン)に導くための近道になります。

    マーケティング視点でデザインを考える3つのメリット

    メリット1.ビジネスの目的に合致した「正しいWebデザイン」ができる

    ここ数年で経営に対するデザインの重要性に注目が集まっています。デザイナー向けのプロトタイピングツールを提供するInVisionが24産業、77カ国、2,200社を対象に実施した調査結果によると、70%の企業が「積極的に経営に対してデザインを活用している」と回答し、さらに全体の3/4の企業が「デザインによって製品やサービスの品質が向上した」と回答していることがわかりました。

    ただしデザインは、ただ見た目のきれいさなどを追求していくと、きれいにすることに意識が集中してしまい、サイトの方向性が気づかないうちに、本来の目的からそれてしまう場合があります。マーケティング視点でデザインを考えれば、ゴールがはっきりしているので、ビジネスの目的にきちんと合ったデザインを作り出すことができます。

    InVisionによるデザイン成熟度モデル
    図2:InVisionによるデザイン成熟度モデル

    出典:https://www.invisionapp.com/design-better/design-maturity-model/


    メリット2.デザイン検討の段階で、ビジネスの課題が見えてくる

    特にデザイン改修の際には、サイトを立ち上げた当初と目的や企業にとってのサイトの立ち位置、業界の状況が大きく変わっている場合があります。その際にきちんとマーケティング視点でデザインを検討してから制作を進めると、デザイン以外の課題や方向性の修正点などが見えてくる場合があります。

    デザイン検討の段階で、ビジネスの課題が見えてくる

    メリット3.デザインに「説得力」が生まれる

    例えば外部に依頼したデザインに関する意見が社内で割れたときや、上司からデザイン変更の要望があった場合に、なぜこの場所にこの要素があるのか、なぜこの情報が配置されているのか、説明が必要な場面も多いと思います。

    その際に、マーケティング視点から根拠を提示することができるようになります。そうすることで、デザインへの説得力が生まれます。

    アート思考からのデザインアプローチではなく、このように、デザインをマーケティング視点から考える手法は、実は昔から根強くあります。

    たとえば、デザイン思考(※)も、ユーザーやビジネスのニーズなどを基盤に設計していくという点では同じ考えであり、Googleなどの多くの企業が取り入れています。

    スタンフォード大学にあるHasso Plattner Institute of Design
    図3:スタンフォード大学にあるHasso Plattner Institute of Design(通称d.school)にて撮影(https://dschool.stanford.edu/

    デザイン思考については、2019年に編集部のチームでアメリカのd.schoolに訪問しておりますので、別途ご紹介いたします。
    ※デザイン思考:デザインの思考方法と手法を活用して、ビジネスの課題を解決するアプローチのこと

    実際にマーケティングをデザインに活用してみる

    マーケティングをデザインに活かすにはさまざまな方法がありますが、今回の記事では第一歩として、デザインに活用できるペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成する方法についてご説明します。
    ペルソナ・カスタマージャーニーマップは、見た目のデザインだけでなく、サイトとして重要なUIUXを高めることにも役立ちます。

    ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成してユーザー像を明確にする

    ■ ペルソナ作成

    ペルソナ作成の方法や無料テンプレートのダウンロードは以下の記事からご確認ください。
    【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法

    デザイン・UIUX改善のためにペルソナを作成する場合には、単純にユーザー視点に立って考えるのではなく、具体的なユーザー像を絞った上で考える必要があります。作成したユーザー像をもとに「どんなことをすれば価値のある体験をしたと感じてもらえるか?」と考えることで、明確な判断基準を持つことができ、UXを効率的に高めることが可能です。

    ■ カスタマージャーニーマップ作成

    UXの向上を図るためには顧客とのタッチポイントを正確に把握し、適切なタイミングでサービスを届ける必要があります。このタッチポイントを明確にするのがカスタマージャーニーマップです。
    Webサイト内におけるユーザーの行動や、Webサイトに訪問するまでの行動など、あらかじめ予測を立てることで、顧客に最適な体験を提供することが可能になります。
    以下では、既存サイトのリニューアルをする際のカスタマージャーニーマップ作成において、マーケティング×デザインの観点からポイントをご説明します。

    カスタマージャーニーマップの基本的な考え方や、テンプレートのダウンロードは以下の記事からご確認ください。
    【テンプレート付き】カスタマージャーニーマップ作成方法と3つの事例を解説

    <ポイント1>サイトの目的に応じてフェーズを設定する

    既存サイトを改善する場合、まず既存サイトのカスタマージャーニーマップを作成します。作成する上で、特に重点的に検討する必要があるのが、フェーズの部分(横軸)になります。この部分の細かさや名称は、自社商品やサービスの目的、設定したペルソナによって大きく変わります。

    フェーズを決める際に重要になるのが、サイトの目的を再確認することです。
    たとえば、BtoCのアパレルメーカーのECサイトのカスタマージャーニーマップを作成する場合、購入もしくは購入後のリピート化や他者との共有(口コミ、SNSへの投稿)までをゴールとして設定するケースが多いと思います。しかし、BtoBの法人向け会計ソフトを紹介するサイトの場合は、会員登録をしてサービスを利用してもらう、またはその後も継続的に利用してもらえるようなサイトにすることがゴールとなる場合が多いです。

    顧客にどんな状態になってほしいのかを想定し、そこに至る行動をプロットしてから、カスタマージャーニーマップの範囲を決定していきましょう。

    カスタマージャーニーマップテンプレート

    <ポイント2>ユーザーの行動を具体的に書き起こす

    既存サイトのカスタマージャーニーマップの「状態」の行にペルソナの行動を書き込んでいきます。
    「Webで検索した」「問い合わせをした」など、想定されるペルソナの行動を考えながら埋めていきましょう。これにより、現在のサイトに訪問しているペルソナの動きを可視化することができるようになります。
    そして、行動を見ながらどの部分に問題があると考えられるか、改善の余地があるかを見つけていきます。
    作成していく中で、サービスを提供する側の目線として「ここでこの行動をとって欲しい」という理想が出てきてしまうことがあるかもしれません。しかし、ここでは現時点でのサイトの問題点を発見するために、あくまで理想ではなく現実を書き込んでいくようにしてください。

    <ポイント3>ユーザーの気持ちになって現在のサイトの良い点、悪い点を洗い出す

    実際のペルソナの立場になって、サイトを利用する上で良い点、悪い点をユーザー心理の観点から洗い出していきます。

    例えば、「安い買い物ではないから、他の商品と比較して検討するために一旦一覧画面に戻りたいと思ったのに、会員登録画面に遷移してしまって『ストレスに感じた』」「Webには疎いけど、メニューがわかりやすいから目的のページに簡単に遷移できて『嬉しい』」など、<ポイント2>で考えたペルソナの行動に合わせたユーザーの感情を「マインド」の行に書き出します。
    このとき、ペルソナに近い人に依頼してユーザーインタビューを実施するのもひとつの手段です。「この部分を押すときにどんなことを考えているか」「どの機能が使いづらいと感じるか」「ここがこうなっていたらいいのに」などをできるだけヒアリングし、顧客の体験に共感を深めることで、改善すべき点が少しずつ見えてきます。

    カスタマージャーニーマップの作り方や無料テンプレートのダウンロードは以下の記事からご確認ください。
    【実践版】オウンドメディア戦略におけるペルソナ・カスタマージャーニーマップ設定手法

    上記を意識してカスタマージャーニーマップを作成することで、デザイン段階でのブレが生じにくくなり、よりターゲットを離脱させないWebサイトに近づけることができます。

    ペルソナ・カスタマージャーニーマップから考えるデザイン改善の例

    下記は、Web上で採用管理ができるサービスサイトの改善で、ペルソナ・カスタマージャーニーマップを作成・活用した例です。作成したことにより見えてきたサイト上の問題点と、その改善策をご紹介します。

    問題点① 登録後のTOP画面で次に起こすべきアクションがわからない

    カスタマージャーニーマップ一部抜粋
    図4:カスタマージャーニーマップ一部抜粋

    改善策:チュートリアルボタンのデザイン変更

    チュートリアルはすでにありますが、ボタンが英語表記でかつアイコンなども無く、色も背景と同化しており分かりづらい状態でした。ペルソナは、今までの採用管理に苦労している多忙な採用担当者を想定しています。そのため、できるだけ短時間でサービスを使いこなせるようになりたいと考えており、「とりあえずいろいろ押して試してみよう」というよりは「すぐに活用したい」という気持ちであることが考えられました。デザイン変更の案としては、「チュートリアルが表示される」ということが探さずとも一目でわかるデザインに変更することが効果的であると判断しました。

    チュートリアルのデザイン変更
    図5:チュートリアルのデザイン変更

    問題点② 下層ページに遷移しないと現在の採用状況が分からない

    カスタマージャーニーマップ一部抜粋
    図6:カスタマージャーニーマップ一部抜粋

    こちらのサイトでは、採用管理ツールとして受信メール件数、エントリー者数など、さまざまなデータが管理できるようになっています。既存サイトの仕様では、TOPはスケジュール管理がメインになっており、他の情報はサイドナビから下層ページに遷移することで確認できるようになっていました。
    たとえば、「選考が始まるまでのやりとりを担当する人」「選考開始から最終選考までを担当する人」のように、各フローで細かく分業化がされている場合はこの仕様でもあまり問題はないかと思います。しかし、ペルソナは3人しかいない採用チームに所属している想定のため、1人で全ての範囲を担当する、つまり全てのデータを把握する必要があると考えられました。その場合、現在の仕様では採用状況の全体を把握するには、何度もクリックして各ページに遷移しなければならず、それがユーザーにとってストレスに感じる可能性があるということが、カスタマージャーニーマップによって見えてきました。
    そこで、アクセスしてすぐ、TOPページを見ただけで現在の採用状況がわかるようなパネルの設置と導線を追加するデザインに変更しました。

    TOPページの構成変更
    図7:TOPページの構成変更

    このように、ペルソナ・カスタマージャーニーマップをもとにデザインを作成すると、サイト内の具体的な問題点や、改善箇所が見えてきます。
    今後新規サイトの立ち上げや、既存サイトのデザインのリニューアルをする際には、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成を実施し、マーケティングの視点からUXの向上を検討することをお勧めします。

    現在トランスコスモスでは、BtoBコンテンツマーケティング施策を成功に導くための「マーケティング講座」のうち第1回を無料で実施しております。全5回を受講いただくと、ワークショップによってカスタマージャーニーマップが完成します。

  • 【テンプレート付き】コンテンツ戦略におけるコンテンツマップ作成法

    【テンプレート付き】コンテンツ戦略におけるコンテンツマップ作成法

    「オウンドメディアへの集客は実現したのに、CV(コンバージョン)には至らない」
    こんな悩みを抱えたマーケティング担当者は多いのではないでしょうか。
    こちらの記事でも触れましたが、このような場合の多くが、コンテンツ戦略に問題があります。

    コンテンツ戦略の中で検討していくべき項目は、コンテンツマップの作成・内部リンクの構造化を含むSEO・運用体制の構築など、多岐にわたります。今回は、これらのタスクの中から、コンテンツ戦略の肝となるコンテンツマップの作成法について解説していきます。

    コンテンツマーケティングにおけるコンテンツマッピングとは

    コンテンツマッピングとは

    コンテンツマッピングとは、

    カスタマージャーニーマップの各段階に全てのコンテンツを結びつけ、戦略的にCVを達成するための道筋を視覚化していく作業のこと。この作業によって、カスタマージャーニーマップの各段階で、それぞれどんなコンテンツが必要であるかが示されたコンテンツマップが完成します。

    コンテンツマップが完成すれば、限られたリソースの中で効率的に、適切なコンテンツ作りができるようになります。

    コンテンツマップの中には、導線設計だけを目的に作られたものも数多く存在しますが、実際に潜在顧客をCVまで導くためには、導線設計のほかに、購買フローも併せて検討していく必要があります。そのため本記事では、双方の視点からコンテンツマップを完成させるためのワークフローとテンプレートをご提供していきます。

    コンテンツマップを作成すべき3つの理由

    顧客を購買フローに誘導することができる

    購買フローに沿ったコンテンツプランを策定

    コンテンツマーケティングにとって最も重要なことは、潜在顧客を購買フローに誘導し、CVまで導くことです。
    その役割を担うのが、コンテンツです。しかし、購買フローの各段階に対応したコンテンツが存在しなければ(もしくは機能していなければ)どうなるでしょうか。頂上への道が用意されていない登山のようなものです。
    そうなってしまうことを回避するために、コンテンツマップを使って、有効なコンテンツプランを策定します。

    全てのコンテンツを把握した上で、効率的にコンテンツを追加・改善することができる

    コンテンツマッピングを行うことによって、既存コンテンツを俯瞰的に把握し、評価することが可能になります。

    コンテンツマーケティングを実施していると、「コンテンツを定期的に、数多く発信すべき」というノウハウを目にしたことがある人は多いでしょう。その指摘は間違いではありません。しかしコンテンツは、ただ多ければ多いほど良いというわけでもありません。やみくもにコンテンツを追加するだけでは、関連性の低い、目的を持たないコンテンツばかりが増えていくことにもなりかねません。
    限られたリソースの中で、効率的に有効なコンテンツ制作を行うためには、まずは既存コンテンツの精査を行う必要があります。その上で優先度順に、不足しているコンテンツの追加や、既存コンテンツの見直しを行うことで、全体最適化がなされたコンテンツ提供が行えるのです。

    チーム内での戦略共有と成果の振り返りが可能になる

    コンテンツ制作を行う際は、チームで分担して行うことが多いのではないでしょうか。
    しかし、個々の担当者がそれぞれに自分の得意分野のコンテンツを用意する方式では、一貫性のないコンテンツ群が出来上がってしまう恐れがあります。こちらの記事でも解説しましたが、コンテンツマーケティングを成功させるための重要なポイントは、一貫性のある有益なコンテンツを配信することです。
    そのため、アジャイル的にコンテンツを作成し改善を繰り返すためには、コンテンツプランの共有が必須となります。

    また、コンテンツマップが存在していれば、成果の振り返りの際にも、戦略立案当初の、各コンテンツの役割をベースに成果を測ることができます。
    例えば、比較検討段階の顧客に向けて作成したコンテンツが、いくらSEOからの流入が多かったとしても、潜在顧客しか獲得できておらず、さらにCVへと導くことができていなければ、そのコンテンツは比較検討段階の顧客には全く響いていない可能性があります。そのコンテンツが持つ、本来の役割を果たせていなければ、ゴールへの道が閉ざされていることと同様です。
    このように、コンテンツマップがあれば、購買フローに基づいた成果の振り返りと改善が可能になります。

    コンテンツマップを作成する前に必要な準備とは

    実際にコンテンツマッピングを行うためには、事前に決定しておくべき事項が3つ存在します。

    こちらの記事でご紹介した「コンテンツマーケティング フレームワーク」の中で、

    の3点を事前に決定する必要があります。
    これらの準備が整ったら、次章の手順を参考に早速コンテンツマップを作成していきましょう。

    コンテンツマップ作成のためのテンプレートをご提供しております。下記からダウンロードしていただきご確認ください。

    コンテンツマップ作成のための5 STEP

    コンテンツマップ サンプル

    <STEP1>カスタマージャーニーマップの各段階で、どのようなコンテンツが効果的かを検討する

    まずは、カスタマージャーニーマップの各段階のユーザーがどのようなコンテンツを求めているかを検討し、定義していきます。例えば、購入を目的として、製品比較を行っている顧客に対しては、製品比較や無料トライアルコンテンツが必要でしょう。また購入後には、使い方ガイドやサポート用のチャットボットなどが求められることが多いでしょう。
    このように、全ての段階ごとに、どんなコンテンツや機能が求められているか、あるべき姿を議論し、リストアップしていきます。ここでリストアップしたコンテンツは、カスタマージャーニーマップに追記をしておくと良いでしょう。

    <STEP2>既存コンテンツの整理と分析(コンテンツリストの作成)

    次に、全ての既存コンテンツをリスト化します。

    その際に必要な項目は以下です。

    • タイトル
    • URL
    • 更新日
    • コンテンツ種類(ブログ・動画・メール・ホワイトペーパーなど)
    • コンテンツ内容の分類(製品カテゴリやブログテーマなどで分類する)
    • カスタマージャーニーの段階(潜在顧客向け・比較検討向けなど)
    • CVポイント(問い合わせ完了・資料DL・購入など…中間CVを含むCVポイントを記載する)
    • 現状のパフォーマンス(オーガニック流入数・月間セッション数・CV数など)

    ここで作成したコンテンツリストは、随時更新し最新状態を保つようにしましょう。そうすることで、自社コンテンツ全てを網羅できるカタログとなるだけでなく、成果の振り返りの際にも役立てることができます。

    <STEP3>既存コンテンツをカスタマージャーニーマップの各段階に分類していく

    コンテンツをカスタマージャーニーマップの各段階に分類

    STEP2でリスト化した既存コンテンツを、カスタマージャーニーマップの段階ごとにマッピング(分類)していきます。その際のポイントは、現時点でコンテンツの質が低く、成果が出せていないものはマッピングの対象から外すことです。
    マッピング対象から除外したコンテンツは、別途、改善が必要なコンテンツリストとしてメモをしておきましょう。

    <STEP4>コンテンツギャップの特定

    STEP1で定義したあるべき姿と、STEP3で分類した実際のコンテンツの状態を比較し、理想と現実のギャップを見つけていきます。
    「カスタマージャーニーマップのすべての段階で、適切なコンテンツが整備されていますか?」 この点に注目しながら、新しく作成すべきコンテンツを見つけていきます。

    また、新たに作成しなくても、既存コンテンツの中でうまく機能していないコンテンツを改善することでギャップを埋めることができる場合もあります。その場合は、「改善すべきポイントがどこか」を特定していきます。

    <STEP5>ユーザー導線×カスタマージャーニーマップを視覚化する

    最終的に、コンテンツマップを作成しますが、その際に対象となるコンテンツは以下です。

    • 既存コンテンツ(パフォーマンスが良いもの)
    • 既存コンテンツ(現状パフォーマンスが悪いが、改善ポイントが明確になったもの)
    • 新規作成コンテンツ

    既存コンテンツの中で、パフォーマンスが悪く、改善点が見つからなかったコンテンツに関しては対象外とします。
    コンテンツマーケティングでは、「全ての購買フローをカバーすること」「CVまでの導線整備を行うこと」の両方が必要です。そのため、それらが視覚的に確認できる形でコンテンツマップを作成していきます。

    コンテンツマップ作成のためのテンプレートをご提供しております。下記からダウンロードしていただきご確認ください。

    まとめ

    冒頭でもお話ししましたが、コンテンツマップの作成は、コンテンツ戦略の肝となる重要なタスクです。
    コンテンツマップは、顧客を理解し、効率的に有益なコンテンツを提供するために役立ちますが、「一度作成したら終わり」ではありません。顧客の求めるコンテンツは日々変化します。そのため、定期的にパフォーマンスのチェックと、カスタマージャーニーの中で各コンテンツが当初の目的通りに機能しているかどうかの振り返りが必要です。

    コンテンツマップが完成したら、次はサイト構成の検討や内部リンク施策の検討が必要になります。これらの工程を経て、潜在顧客を教育し、見込み顧客に育成していくフローが完成します。その際のポイントは、1つ1つのコンテンツ内容だけに注目するのではなく、全体として最適化された構成になっているかどうかにも留意することです。

    また、運用体制の確立も非常に重要なタスクです。コンテンツマーケティングは長期的な運用が前提となるため、外部リソースを利用することも含め、チームで無理のない運用体制を確立し、継続していくことが重要です。 その際にも、コンテンツマップやコンテンツリストがあることで、運用の指針になるはずです。

    コンテンツマップ作成のためのテンプレートをご提供しております。下記からダウンロードしていただきご確認ください。

  • 【テンプレート付き】カスタマージャーニーマップ作成方法と3つの事例を解説

    【テンプレート付き】カスタマージャーニーマップ作成方法と3つの事例を解説

    カスタマージャーニーマップとは

    「カスタマージャーニーマップとは、一般的には潜在顧客がターゲット製品に気づき、製品を購入し、企業と長期的な関係を構築していくまでのプロセスを時系列に視覚化するためのフレームワークです。」

    しかしそれ以外にも、購入をゴールとしないカスタマージャーニーマップも数多く存在します。たとえば、サービス改善のためや、UX改善のためにも広く利用されています。

    つまり、カスタマージャーニーマップは、カスタマージャーニーやカスタマーエクスペリエンス(CX)を改善するための、重要なファーストステップとして活用されているのです。

    • カスタマーエクスペリエンス(CX)とは:顧客体験のこと(購買行動に限らず、製品やブランドとの接点が生じるすべての体験を指す)
    • カスタマージャーニーとは:顧客が商品やサービスを購入するに至るシナリオを時系列で捉える考え方
    digitoo-cjm_1.svg

    業界や、顧客の特性(BtoC / BtoB)に関わらず、カスタマージャーニーマップの作成は、顧客と企業との間で長期的で良好な関係を築いていくために、非常に有効な手段となります。
    顧客と企業の接点はいまや、オウンドメディアや広告、セミナーやメールマガジン、それ以外にもSNSやライブチャット 、リアル店舗など…多岐に渡ります。それらすべてのタッチポイントにわたって、カスタマージャーニーマップでは、顧客の視点から「行動」「感情」「思考」を洗い出し、視覚化を行なっていきます。
    そうすることによって、企業が顧客に対して一貫したストーリーを伝えることができているか、また顧客の購買フローの中で、自社が接触できていない箇所や、誤った体験を与えている箇所がないかどうかを検証し、改善することが可能になるのです。

    カスタマージャーニーマップを作成する目的とは

    カスタマージャーニーマップを作成する最大のメリットは、顧客をより深く理解できることです。
    顧客を理解すればするほど、顧客体験を彼らのニーズに合わせて調整することができますが、そのための手段としてカスタマージャーニーマップを作成するのです。
    本章では、カスタマージャーニーマップを作成する目的について解説していきますが、その前にまず、優れた顧客体験を提供することがなぜ大切なのか、について解説していきます。

    優れた顧客体験を提供することは、直接的に売上向上にもつながっている

    下記の図は、Forrester’s customer experience indexが実施したCX(Customer Experience)に関する調査データをまとめたものです。この調査から、『優れた顧客体験の提供が企業の成功を後押しする』ことが分かります。

    digitoo-cjm_6.png
    図1(出典:Acquia Inc./ Adopting a Customer Journey Mindset: The Secret to Build Great Experiences )

    86%: 素晴らしい顧客体験を得た顧客の86%は、同じ会社から再度製品を購入する
    (悪い顧客体験を受けた顧客の場合、再購入する割合は、わずか13%)
    89%: 強力なカスタマーエンゲージメント戦略を持つ企業は、平均89%の顧客維持に成功している (戦略が弱い企業の平均は、33%)
    20%: カスタマージャーニーの満足度を最大化することで、顧客満足度を20%向上させることができる

    これらのデータが示す通り、近年の顧客は、製品やサービスを購入する際の “体験” を非常に重視します。
    自分が誰で、なにを探しているかを理解してくれている企業から製品・サービスを購入したいと考えるのです。繰り返し同じ質問をされたり、何度もニーズを確認されたりすることを嫌い、シームレスな購入体験を得られた場合に、その企業に対して好感を持ちます。

    また、2018年のWalker社の下記調査(図2)では、『顧客体験が、製品品質と価格を上回る、主要なブランド差別化要因になる』ことを示しています。これは、製品品質や価格に注意を払うことと同様に、もしくはそれ以上に、顧客体験にも注力する必要があるということ。それほど、近年の顧客にとって、顧客体験の品質が重要なのです。

    つまり、顧客体験を向上させることは、直接的に売上向上にもつながると言えるでしょう。

    Customers 2020
    図2(出典:Walker、Customers 2020)

    カスタマージャーニーマップを作成する目的

    カスタマージャーニーマップを作成する主な目的は3つです。

    ・顧客理解を深めるため

    カスタマージャーニーマップを作る際には、顧客の行動や思考・感情について十分な調査を行い、顧客視点で俯瞰的な顧客体験の視覚化を行います。そのため顧客のインサイトを深く理解することができ、顧客体験の向上につなげることができます。

    ・カスタマーエクスペリエンスやカスタマージャーニーの視点から課題の発見と改善を行うため

    カスタマージャーニーマップでは、顧客の購買行動における段階ごとに、顧客のインサイトを視覚化していきます。そのため顧客が、各段階でどのような課題を抱えているか、またどのような感情を抱いているかを視覚的に把握することが可能になります。
    それによって、以下のようなことを発見することができます。

    • どの段階で顧客に誤った体験を与えてしまっているか
    • 自社が顧客に接触できていない段階はどの部分か
    • 各段階で顧客が求めている情報を適切な形で提供できているかどうか

    これらの課題を発見することで、改善のための行動を起こすことが可能になります。
    また、段階ごとに課題を把握できることで、施策実行の際の優先順位もつけやすくなります。

    ・社内で顧客に対する共通認識を持ち、各部署で一貫した体験を提供するため

    販売促進においても、CXの向上においても、マーケティング部単体で施策を実行しても成功することは難しいでしょう。そのため、全社で一丸となって一貫した行動を起こす必要があります。その際に役立つのが、カスタマージャーニーマップです。
    視覚的に表現されたカスタマージャーニーマップを社内に共有することで、各部署間での認識のずれをなくし、一貫した施策を実行することが可能になります。

    カスタマージャーニーマップを作成するための5つのステップ

    カスタマージャーニーマップを作成していくには、まずペルソナを設定する必要があります。
    ⇒ペルソナ作成法についてはこちらの記事で解説していますのでぜひご確認ください。
    『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    また、カスタマージャーニーマップの精度を上げるための最も早い近道は、『ワークショップ形式』で作成していくことです。その際に重要なことは、マーケティング部だけで作成しないということ。マーケティング部だけで作成してしまうと、作成者の先入観で作成してしまい、現実とかけ離れたものができあがってしまうからです。

    大事なのは、営業部門やカスタマーサクセス部門など、ペルソナに近い人と一緒に、ワークショップ形式でディスカッションを行いながら作成すること。そうすることで、より精度が高まり、完成後も活用しやすいカスタマージャーニーマップが完成します。

    カスタマージャーニーマップ作成用のテンプレートをご提供しておりますので、下記3-1~3-5を参考に、ぜひ実際にワークショップを開いて作成していただけたらと思います。

    最終目的を設定

    最終目的を設定

    カスタマージャーニーマップ作成のために最初に行うことは、最終目的の設定です。

    カスタマージャーニーマップは、さまざまな業種・用途で幅広く活用が可能なフレームワークですが、それゆえに最終目的設定が重要になります。たとえば、最終目的として設定されるものは、以下のようなものが挙げられます。

    • オンラインからの製品へのお問い合わせ獲得
    • オンライン上での製品、サービス購入
    • Webサイトへの有料会員登録

    オンラインマーケティング活動においては、これらが最終目的として設定されることが多いのではないでしょうか。

    適切な最終目的を設定したら、この後の工程で、ペルソナを最終目的達成に導くための最も効率的な方法を絞り込んでいきます。

    カスタマージャーニーにおける、最終目的達成までのステップを設定

    この工程では、最終目的達成までの段階(ステップ)を設定していきます。

    過去、AIDMAAISASという言葉が広く活用されましたが、基本的にはこれらの考え方からベースは変わっていません。大まかに分けて、認知、検討、決定などの段階を経て、ペルソナが製品購入に至り、購入後に推奨の段階に入っていきます。カスタマージャーニーマップを作成する際も、これらの段階を、自社のターゲットとなるペルソナの購買フローに合わせて、より細かく設定していく必要があります。

    たとえば、BtoB企業の場合は、このように設定することができます。

    BtoB企業の最終目的達成までのステップ例

    BtoB企業のペルソナの場合、BtoCとは異なり、社内検討(社内承認)が必要となることが多いのが特徴です。
    ⇨BtoB企業の購買フローについては、こちらの記事で解説しています。

    BtoC企業が、製品購入までのカスタマージャーニーマップを作る場合は、このように設定することができるでしょう。

    BtoC企業の最終目的達成までのステップ例

    しかし、上記は一例であり、実際には自社の目的によって慎重に決定していく必要があります。カスタマージャーニーマップの精度を上げていくためには、ペルソナの購買行動についての調査を行った上で、各段階を設定していくことが近道になります。

    各段階におけるペルソナの状態と、次の段階へ移行するために必要なゴール設定

    購買行動における段階を設定したら、それぞれの段階ごとのペルソナが、どんな状態であるかを深掘りしていきます。

    たとえば、「認知・興味」の段階ではペルソナはどんな悩みや課題に直面しているでしょうか。
    もしくは、この時点でペルソナは課題に対してどのように解決しようとしているでしょうか。
    または、この段階でペルソナは、自社製品についてどの程度認識しているでしょうか。

    これらの内容を検討していきながら、それぞれの段階でのペルソナの状態を設定していきます。

    それと同時に、各段階でのゴールを設定していきます。
    たとえば、この「認知・興味」の段階のペルソナが、積極的に「情報収集」を行うに至るためには、どのような態度変容(意識変化)が必要かを検討していきます。
    このゴールを達成することで、ペルソナが次の段階へステップアップしていくことになるのです。

    段階ごとに、「感情」「タッチポイント」「情報ニーズ」「検索キーワード」を深掘りしていく

    段階ごとに、「感情」「タッチポイント」「情報ニーズ」「検索キーワード」を深掘りしていく

    この工程では、ペルソナのことを深掘りしていきながら、各段階のゴールを達成するために必要な情報がなにかを探していきます。

    <感情>

    まずはペルソナの感情から深掘りしていきます。
    すでにペルソナの「状態」は設定済みですので、その状態において、ペルソナがどんな感情を抱いているかを探っていきます。どんな不安を抱えているか、それによってどのような感情になっているかを記載していきます。

    <タッチポイント>

    次に、各段階のペルソナと自社の接点がどこにあるかを記載します。
    Web検索や広告、SNSやセミナー、営業やカスタマーサポートなどが考えられるでしょう。

    <情報ニーズ>

    情報ニーズについては、ペルソナが次の段階へ移行するために必要な情報がなにか、ゴールを意識しながら検討していきます。この部分は、具体的なマーケティング施策を実行するにあたって、直接的に参考になる部分ですので、ペルソナに近い人やペルソナ本人とコンタクトを取って調査を行う必要があるでしょう。
    調査を行う方法については、こちらの記事で解説をしています。
    『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    <検索キーワード>

    この項目についても、できればペルソナ本人にヒアリングを行いたい項目です。
    情報ニーズをWebで検索する場合に、どんなキーワードで検索するかを、考えられる限り多く挙げていただきます。
    ⇨キーワード選定のポイントはこちらでチェック!『SEOだけじゃない!適切なキーワード選定でオウンドメディアを成功に導く方法』

    随時更新しながら最適化を行う

    カスタマージャーニーマップは、一度作成したら完成、というわけにはいきません。
    はじめから完璧なカスタマージャーニーマップを作成することは難しいからです。そのため、作成したカスタマージャーニーマップをもとに施策を実行し、その結果を踏まえて半年ごとを目途に見直しを行いたいところです。
    それ以外の見直しのタイミングとしては、たとえばコロナ禍のように顧客の行動に大きな変化が訪れたタイミングや、製品やサービス自体に変化を加えたタイミングなどでも、見直しを行うべきでしょう。

    トランスコスモスでは、実際にカスタマージャーニーマップを作成するためのテンプレートをご提供しています。

    多種多様なカスタマージャーニーマップ 3つの事例

    カスタマージャーニーマップには、決まったフォーマットは存在しません。
    そのため、各社アイデアを絞って、自社の目的に応じたそれぞれの形式のカスタマージャーニーマップを作成しています。本章では、その中から3つの特徴的な事例をご紹介したうえで、比較的汎用性の高い、初心者でも作りやすいカスタマージャーニーマップのテンプレートをご提供します。

    LEGO : Designing the Experience – Example WOW

    LEGO:Designing the Experience – Example WOW

    1つ目は、LEGO社が使用しているカスタマージャーニーマップです。
    このサンプルでは、ニューヨークへのフライトを予約するときに顧客が実行する可能性のあるプロセスを示していますが、特徴的なのはその形式です。Experience Wheelと名付けられたこのカスタマージャーニーマップは、名前の通り円形のサイクル型でフローを表現しています。
    サークルの中央に存在するペルソナが、フライトの体験前・体験中・体験後にどのような行動をとって、どんな感情を抱くかを視覚的に表現することで、改善すべき領域を一目で発見できるよう工夫されたものです。

    The Fresh Market

    The Fresh Market

    2つ目は、食料品を販売する小売店「The Fresh Market」のサンプルです。

    このカスタマージャーニーマップの特徴は、新規顧客とリピーター顧客の両方の体験と感情を1つのシートで表現している点です。また、リアル店舗である小売店であっても、店に訪れる前のリサーチの段階から調査を行っている点もポイントになります。

    Linda’s Journey Map

    Linda’s Journey Map

    3つ目は、オンライン英会話学校「USA.gov 」のサンプルです。
    このカスタマージャーニーマップが特徴的なポイントは、購買を目的に作成されたものではない点です。すでに入会済みの顧客が、情報を閲覧したり、問い合わせを行うまでの行動や感情を表したものです。
    一般的に、購買をゴールに設定したカスタマージャーニーマップを作成する企業が多いですが、既存顧客のCX改善にも役立てることができるのです。

    トランスコスモスでは、初心者にも作成しやすい汎用性の高いカスタマージャーニーマップテンプレートをご提供しています。

    まとめ

    このように、カスタマージャーニーマップにはさまざまなアイデアが存在します。自由なフォーマットで、それぞれ自由に目標を設定して作成することができます。

    ただ、どの場合においても、ポイントとしては

    • 顧客の「感情」を一目で確認できるようにすること
    • 目標を達成するまでのフローの中で、自社とのタッチポイントが存在しない点がないかどうかを確認すること
    • 目標達成フローの中での改善点が一目で分かるような工夫をすること

    これらに留意して作成することで、社内の各部署間でも活用が可能なカスタマージャーニーマップを作ることができるのです。

    現在トランスコスモスでは、BtoBコンテンツマーケティング施策を成功に導くための「マーケティング講座」のうち第1回を無料で実施しております。全5回を受講いただくと、ワークショップによってカスタマージャーニーマップが完成します。

  • BtoBコンテンツマーケティングの5つのお悩み&解決法とは?

    BtoBコンテンツマーケティングの5つのお悩み&解決法とは?

    BtoB企業こそ、コンテンツマーケティングが効く理由

    コンテンツマーケティングと聞くとBtoCでの活用をイメージする方が多いかもしれません。
    しかしコンテンツマーケティング先進国のアメリカでは、BtoB企業でこそコンテンツマーケティングが広く利用されているのが現状です。Content Marketing Institute社の調査によると、BtoBマーケターの89%がコンテンツマーケティングを実施していることが分かります。(図1)

    B2B企業の89%がコンテンツマーケティングを利用している
    図1:B2B企業の89%がコンテンツマーケティングを利用している

    出典:2017年Content Marketing Institute社による調査

    ではなぜ、BtoB企業において、ここまで広くコンテンツマーケティングが活用されているのでしょうか。それは下記(図2)のように、BtoB特有の長い購買フローが大いに関係しています。

    B2Bの購買フローの図
    図2:B2Bの購買フローの図

    出典:Gartner

    BtoBの購買フローは、年々長く複雑になっており(図2)、購買に関わる意思決定者の平均人数は、2014年には5.4人だったにもかかわらず、2018年時点で6.8人に増えていると言われています。(出典:CEB)
    このことが意味することは、BtoBの購買活動においては、より論理的な意思決定が求められるようになっているということ。マーケティング担当者としては、中長期的に顧客ニーズを把握し、適切なタイミングで適切なチャネルで顧客にアプローチを行う必要が生じています。
    営業担当者にとっても、獲得したリードがすぐに案件化することが少なくなっている現状を理解して、顧客の状態に応じた会話を行う必要があります。決して、クロージングだけを目的にした営業活動を行ってはいけません。カスタマージャーニーの早期の状態である顧客は、 “情報収集・学ぶこと“を目的としているからです。

    このような現状の中で、BtoBサプライヤーが営業活動を有利に進めるためには、下記の3つがポイントになります。

    • 購買活動の早期の段階で、顧客との接点を持つこと
    • 潜在顧客の情報収集を助けることによって、見込み顧客との信頼関係を構築すること
    • 見込み顧客のリードを獲得し、顧客の状態に応じたアプローチを行うこと
      (カスタマージャーニー早期の顧客に対しては情報提供・育成を。購買意欲の高い顧客に対してはクロージングを。)

    そして、この3点を効率的に幅広く実施できるのが、コンテンツマーケティングです。
    だからこそ、現代のBtoB企業のマーケティングや営業活動において、幅広くコンテンツマーケティングが活用されており、同時に成果を上げているのです。(図3:77%のBtoBマーケターが、自社のコンテンツマーケティングが成功していると回答している。うち、24%のマーケターが大成功だと答えている。)

    BtoBマーケターが、自社のコンテンツマーケティングをどのように評価しているか
    BtoBマーケターが、自社のコンテンツマーケティングをどのように評価しているか

    出典:Content Marketing Institute

    次項では、3つの衝撃的なデータとともに、BtoB企業がコンテンツマーケティングを実施する際に留意すべきポイントを解説していきます。

    BtoB企業がコンテンツマーケティングを実施する際に留意すべき3つのポイント

    BtoB企業のバイヤーのうち72%は、課題が見つかるとまずGoogle検索を行っている

    BtoB企業のバイヤーのうち72%は、課題が見つかるとまずGoogle検索を行っている
    図4:BtoB企業のバイヤーのうち72%は、課題が見つかるとまずGoogle検索を行っている

    出典:Salesforce / Pardot

    このデータ(図4)は、BtoBの購買における環境の変化を如実に表したデータです。BtoBの顧客は、ビジネス上の課題を発見してもすぐには購買行動を起こしません。バイヤーの72%は、まずGoogle検索を行って情報収集をします。過去、営業担当者が担っていた役割の一部を、現在はオンラインコンテンツが担っているのです。

    そのためBtoB企業がコンテンツマーケティングを実施する際には、「顧客の課題解決を行う準備ができていること」をアピールするために、自社が持つノウハウや情報の一部を提供する必要があります。出し惜しみをした状態で、まずは問い合わせをしてくださいとお願いをしても、顧客にとってはリスクが高いからです。的外れな話を聞くために個人情報を提供し、貴重な時間を割きたいと思う人は少ないはずです。

    まずはオンラインコンテンツによって、顧客が欲している課題解決のための情報を提供します。もしそれが有益で、情報量も豊富であれば、顧客は自身の抱える課題を理解されていると感じ、貴社にコンタクトを取ってみようと考えるようになるでしょう。

    B2B企業の購買担当者は営業担当者に連絡を取る時点で、すでに購買プロセスの57%を終えている

    B2B企業の購買担当者は営業担当者に連絡を取る時点で、すでに購買プロセスの57%を終えている
    図5:B2B企業の購買担当者は営業担当者に連絡を取る時点で、すでに購買プロセスの57%を終えている

    出典:CEB Analysis / n=1,460

    第1章で解説した通りBtoB企業の購買プロセスは、関与する人数の増加により、よりロジカルに組織としての決定が行われるようになってきました。加えてこの数字。購買プロセスの57%は営業担当者に接触する前に完了しています。(図5)昨今の顧客は、課題を発見したらまずGoogleで検索して情報収集を行います。そこで得た情報を精査しながら、コンタクトを取る企業を選定しているのです。この時点で候補企業は2~3社に絞られます。そして実際にコンタクトを取った後も、事前の情報収集によって得た知識をもとに、ある程度の先入観を持って各企業と交渉を進めていきます。

    ではもし、この情報収集の期間に顧客のアンテナに引っかからなかったらどうでしょうか?
    その場合は、比較検討の候補にも入れてもらうことができません。

    候補から外れてしまった場合、購買フローの残り43%の時点で、営業担当者が熱心にアウトバウンド営業を行ったとしても手遅れです。そうならないためには、Web上で製品やサービスについての情報提供を行うことはもちろん、より早期に顧客との接点を持つために、顧客の疑問や課題を解決するためのコンテンツを作成して顧客を惹きつけることが重要なのです。

    B2Bバイヤーの87%が、オンラインコンテンツがベンダー選択に影響を与えていると答えた (出典:CMO Council

    最後のデータはオンラインコンテンツの質に関わるデータです。
    購買の初期段階にWeb上で顧客との接点を持つことがいかに重要か、を前項で解説しました。しかし、運良く購買初期に顧客が自社サイトに訪れてくれたとしても、そこで提供されているコンテンツが役に立たないものであれば、顧客は二度とそのWebサイトを訪れてくれないでしょう。そうなってしまえば、いま現在に購買を検討してくれないだけでなく、信頼を失い将来の顧客を逃してしまう可能性まであります。

    このデータの通り、ベンダー選択にオンラインコンテンツが与える影響は非常に大きいのです。

    ビルゲイツが発した、“Content is King”という言葉がありますが、2020年に至っても、もちろんこの先の未来にとっても、本質をとらえた言葉です。優先すべきは有益で質の高いコンテンツを一貫して提供すること。また、顧客の状態に応じたコンテンツをそれぞれに用意すること。そのためには自社の顧客を深く理解し、顧客が購買活動の中でなにを求めているかを理解することが欠かせません。

    次項では、BtoB企業から多く寄せられる、コンテンツマーケティングに関する悩みと、その解決法を解説していきます。

    顧客を理解するために必須となるペルソナ作成は、こちらで解説しています。
    『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    BtoBコンテンツマーケティングでよくある悩みと課題解決法

    <課題①>ある程度集客は実現できたが、CVにまで至らない

    <解決法①>コンテンツ戦略を立てて実行する

    コンテンツを定期的に更新して、集客を実現することはできているにも関わらず、お問い合わせや製品購入に繋がらない場合、ほとんどの原因はコンテンツ戦略が確立されていないからです。
    集客ができているということは、コンテンツSEOには成功している状態でしょう。しかしコンテンツSEOとコンテンツマーケティングは異なる戦略です。コンテンツマーケティングを成功させるためには、必ずコンテンツ戦略が必要になります。

    コンテンツ戦略の基本は、BtoBの購買フローに合わせてそれぞれコンテンツを用意することです。しかしContent Marketing Institute社の調査によると、購買初期のユーザーに向けてコンテンツを作成している企業は50%、中期のコンテンツを作成している企業は22%、回答者のわずか14%が購買後期向けのコンテンツを作成していると回答しました。(図6)

    これでは明らかにCV(コンバージョン)獲得のチャンスを逃しています。せっかく集客に成功しても、購買を後押しするコンテンツがなければ、顧客は別のベンダーのWebサイトへ流れてしまいます。自社のWebサイトで顧客の育成を行ったにも関わらず、最後の製品購入の段階で競合企業に取られてしまっては、努力が水の泡です。

    コンテンツマーケティング先進国のアメリカですら、このような状態ですから、逆に言えば、しっかりとコンテンツ戦略を実施すれば、競合企業に勝てる可能性が高いということです。コンテンツ戦略立案の方法としては、カスタマージャーニーの各段階にコンテンツをマッピングしていく方法が一般的ですが、業界やペルソナによって適切なコンテンツは異なります。そのため、自社のペルソナに合った戦略を見つけるためのPDCAも欠かせません。
    また当然、WebサイトのUIUXに問題がある場合は早急に改善する必要があります。ほかの戦略がすべて正しくても、UIUXに問題があればすべてを台無しにしてしまうからです。
    どちらにしても、CVが獲得できない場合は、コンテンツ戦略かUIUXのどちらかに問題があります。どこにボトルネックがあるかを把握し、購買フローの入口から出口までのスムーズな道のりを作り出すことが重要です。

    ⇨ コンテンツ戦略手法についての解説は近日公開予定

    "Percentage of Total B2B Marketing Content Created By Purchase Stage in Last 12 Months"
    図6(出典:Content Marketing Institute / MarketingProfs’s 2020 B2B Content Marketing Research

    <課題②>見込み顧客のリードを収集しても、うまくリードナーチャリングができず営業に繋がらない

    <解決法②>『リードジェネレーションチェックリスト』で対応漏れを確認する

    リードジェネレーションについてはBtoBマーケターにとって重要な問題ですが、マーケティング部署だ
    けで完結するものではないという部分が問題をより難しくしています。

    基本的なリードジェネレーションのフローは大まかには以下(図7)のようなイメージですが、実際には
    獲得リード数の不足、営業との連携不足、リードのセグメンテーション・スコアリングのプロセス整備
    などに苦労されているマーケターも多いのではないでしょうか。

    リードジェネレーションフロー
    図7:リードジェネレーションフロー

    リードのセグメンテーション、スコアリングに関しては、MA(マーケティングオートメーション)を導入することである程度解決することができます。また、顧客のニーズに合わせたシナリオ・コンテンツ作成をサポートしてくれるMAツールも存在するため、顧客のオンライン上の行動によってコンテンツを出し分け表示することで顧客を次の購買ステージへ誘導することも可能になります。

    ⇨ MAの導入法・活用法についての解説は近日公開予定

    しかしMAを導入するためには、通常1万件以上のハウスリストが既にある必要があります。
    1万件未満のハウスリストでは、スコアリングの精度が低く、MA導入のメリットを実感できることは少ないからです。コンテンツマーケティングを始めたばかりのBtoB企業にとって、1万件のリード(ハウスリスト)獲得というハードルは想像以上に高いハードルです。
    また、BtoBの商材によっては、将来的な獲得見込の顧客件数を入れてもハウスリストが1万件に満たないニッチな業種も沢山あります。その場合はMAツールを活用したスコアリングを諦め、その他の施策を優先するなど、限られた予算を適性に配分することが重要です。(こちらについては後日、解説記事を公開予定)

    自社商材が、1万件以上のハウスリスト獲得を狙える場合は、ハウスリストが1万件集まるまでの期間、MAを使ったナーチャリング実施を行うための下地となる体制作りを行うことをおすすめします。マーケティング部が行うべきタスクは、オンライン上でリードの育成を行うこと。一方で、営業部が行うべきタスクは、有効リードから売上を作り出すことです。この2つの部署の連携をスムーズに行うためには、事前に顧客対応戦略についての共通認識を持つ必要があります。
    でなければ、マーケティング担当は営業担当が求める有効リードを作り出すことはできないですし、逆に有効なリードを営業担当に渡すことができても、オンライン上でのコミュニケーションの履歴を営業担当が知らなければ、顧客との会話がかみ合わなくなり、売上に繋げることもできません。
    そのため、MAの導入以前にまずやらなければならないことは、ナーチャリングを行うための下準備・営業部との連携も含めたプロセス構築です。

    この点も含めた、リードナーチャリング実施の際のチェックリストをご用意しましたので、ぜひご活用ください。

    <課題③>リソース不足でコンテンツを定期的に更新できない

    <解決法③>担当者への取材をベースに外部ライターが執筆する

    これは、コンテンツマーケティングを実施するマーケターが直面する最大の課題かもしれません。
    定期的にコンテンツを更新する必要性については、コンテンツマーケティングを実施している人なら誰もが理解している部分ですが、それを実現することはそう簡単なことではありません。

    • マーケティング担当者自身が製品やサービスについてのコンテンツを作成するには製品知識が不足している
    • 営業部門や開発部門に執筆を依頼しても、業務優先で後回しにされてしまう
    • 外部ライターに依頼してみたら品質が低かった

    などの話はよく聞く話です。ではどうすればいいのでしょうか。もちろん、営業部や開発部出身のマーケターがいれば、その方にお願いすることがベストでしょう。しかしそのような人材が複数人いれば良いですが、そうでない場合、その1名の方ばかりに負担が集中することになり現実的ではありません。難しい判断にはなりますが、結局は外部ライターに依頼することが必要なのではないでしょうか。

    ただし、テーマだけを与えて丸投げするのでは、品質の良い記事は出来上がりません。解決策としては、営業部や開発部の担当者に協力していただき、外部ライターによる取材を行う方法です。取材をもとに執筆を行うことで、専門的な知識不足を補うのです。ライターは文章の執筆は得意ですから、専門知識さえ補えれば、営業部や開発部の担当者自身が執筆するよりも読みやすい文章になる可能性が高い点もメリットです。加えて取材前に、マーケティング担当者がプロットを作成しておけば、マーケティング視点での必要要素はカバーできます。

    また長期的に同じライターに仕事を依頼することができれば、徐々にライター自身の製品知識も向上していきますので、マーケティング担当者がプロットを用意する必要もなくなり、さらなるリソース削減が実現できるようになるでしょう。

    <課題④>コンテンツマーケティングのROIはどう算出するべきか

    <解決法④>軌道に乗れば急速にROIが向上するため、2~3年の長期スパンで算出する

    こちらの概要記事にて、コンテンツマーケティングは続けるほどROI(費用対効果)が高くなるという解説を行いました。このことからも分かるように、コンテンツマーケティングのROIは2~3年の長期スパンで計測すべきです。

    経営層や上層部には、短期的に、すぐに効果が出る施策が優先されがちです。しかし、きちんとROIを説明することによって、コンテンツマーケティングの実施が難しいとされてきた企業様でも、中長期戦略として、今後も勝ち続けるためには、避けて通れない施策だと理解されることが多いです。

    ROIを計算するためには一般的には下記(図8)の公式を用います。

    コンテンツマーケティングのROI計算式
    図8:コンテンツマーケティングのROI計算式

    この公式を有効に使うためには、まず収益と投資額について詳細に把握する必要があります。

    投資額となるのは、例えば下記のようなものでしょう。

    • コンテンツの作成時間
    • リードナーチャリングにかかる工数
    • 稼働した人材の人件費
    • ツールやサーバー利用料
    • アウトソーシング費用

    これらから得る収益を把握する手段としては、下記の要素があれば算出が可能でしょう。

    • 各チャネル経由の有効リード獲得数
    • リードからの売上創出割合
    • 訪問者数のうち何パーセントが売上に繋がるか
    • オンライン経由の平均単価
    • オンラインコンテンツへの訪問者数

    しかし冒頭でご説明した通り、難しいのは「続ければ続けるほどROIが高くなる」という点です。現時点のROIを計算することは上記の計算式で叶いますが、コンテンツマーケティング実施前に予算獲得のための想定ROIを算出する場合には注意が必要です。

    コンテンツマーケティングには構築における段階が存在します。

    • まずは集客
    • その後、コンテンツを増やしていきながらリード獲得数を増やす
    • リードナーチャリングを行うことで顧客を購買にまで誘導する

    コンテンツマーケティングを軌道に乗せるためには、必ずこの3つのフェーズを一つ一つクリアしていく必要があります。当然、第1フェーズの集客にフォーカスしている段階ではROIは低い状態でしょう。しかし第3フェーズ完了に近づけば近づくほどにROIが急激に向上していきます。

    そのため、上層部の理解を得るためには、その点も踏まえて説明する必要があります。そのためには3年分のロードマップを詳細に作成するとともに、それをベースとした3年トータルでの想定ROIを算出します。コンテンツマーケティング開始から5カ月でリード獲得単価が80%減少するというデータも示す通り、長期的に見ればコンテンツマーケティングは、広告などのほかのマーケティング施策と比較して非常にROIの高い施策です。3年スパンでROIを算出すれば、それは一目瞭然となります。

    それには、コンテンツを月に何本作成するか、どのタイミングでどのツールを導入するか、その費用は?…など、綿密なコンテンツマーケティング戦略の立案が不可欠になりますが、コンテンツマーケティングの戦略手法についてはこちらの記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
    『独自の戦略立案を行うためのコンテンツマーケティング フレームワーク < 7 STEP >』

    <課題⑤>コンテンツマーケティングを実施したいが、社内理解がなかなか得られない

    <解決法⑤>仲間を増やすこと

    コンテンツマーケティングは中長期的な施策です。目に見えて効果が現れるまで、数カ月が必要です。そのため、目先の売上を重視する組織の中では、実施に対して理解されにくいというご相談を受けることも少なくありません。
    こういった環境において多くの場合は、熱意ある1人のマーケターが承認を得るために多大な労力を支払ってコンテンツマーケティングの実施にこぎつけることになるでしょう。しかしそれでも実現が難しいという場合は、どうすれば良いのでしょうか。

    弊社の答えは1つです。仲間を作ることです。
    マーケティング部署内に同じ志を持つ複数の仲間が生まれれば、承認を得ることも難しくなくなっていきます。
    弊社では過去に、このようなご相談を受けて、マーケティング講座を実施したことがあります。当日には想定以上の関係者が講座に参加をしてくれました。中にはマーケティング部門の責任者の方の姿も。全5回の講座の中で、BtoB企業においていかにコンテンツマーケティングが有効か、いま始めなければ競合企業に後れを取ること、実施に向けてどんなことが必要か…などをお話しました。その結果、責任者の方から「なんでいままで実施してこなかったんだろう。いますぐ実施すべきだ。」というご意見をいただいたことがあります。

    通常業務の中では、時間をかけてじっくりと上層部へ説明することは難しいかもしれません。しかし外部の専門家のマーケティング講座であれば参加してくださる方も多く、共感を得ることも難しくないということが分かりました。

    現在トランスコスモスでは、BtoBコンテンツマーケティング施策を成功に導くための「マーケティング講座」のうち 第1回を無料で実施しております。同じようなお悩みを抱えている方はぜひご参加ください。

  • 【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法

    【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法

    そもそもペルソナ(persona)とは?

    「ペルソナとは、製品やサービスの典型的な顧客モデルのこと。理想的な顧客が誰であるか、彼らの日常がどんなものか、抱える課題、製品やサービス購入の際にどのような意思決定を行うか、といった項目について詳細に人物像を設定していきます。」

    ペルソナはもともと、UI(user interface)の専門家が使用していたもので、自社の製品やサービスを顧客がどのように利用しているかを理解するために活用されていました。現在では特にマーケティング分野で幅広く活用されていますが、本記事ではオウンドメディア戦略(中でも特にコンテンツマーケティング戦略)においての、ペルソナの重要性と作成手順、活用法を解説していきます。

    ペルソナを設定すべき3つの理由

    コンテンツマーケティングに成功しているマーケターの77%がペルソナを設定している

    ペルソナを設定することの重要性を説明するには、下記のデータをご確認いただくことがもっとも早道でしょう。

    コンテンツマーケティングが最も成功していると回答したマーケターの77%がペルソナを活用している
    図 1:コンテンツマーケティングが最も成功していると回答したマーケターの77%がペルソナを活用している

    出典:Content Marketing Institute社

    このデータは、 Content Marketing Institute社による2019年の調査結果で、

    • 自社のコンテンツマーケティングが成功しているかどうか
    • コンテンツマーケティング戦略の中でペルソナを作成しているかどうか
      を質問した結果です。

    グラフを見ていただくと、もっともコンテンツマーケティングに成功していると答えたグループの77%が、ペルソナを設定していると答えています。全回答者で見ると55%、あまり成功していないと回答した人は36%しかペルソナを設定していません。
    また、あまり成功していないグループも、29%が今後ペルソナ作成することを検討していると答えています。

    コンテンツマーケティングにおいて、ペルソナを作成することがいかに大切か、については こちらの記事でも解説いたしましたが、実際にコンテンツマーケティングで成功している人とそうでない人を調査データによって比較することによって、これほど明確に成否を分けている結果に驚く方も多いのではないでしょうか。

    ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する

    ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する
    図 2:ペルソナは、あらゆるマーケティング戦略の中心に位置する

    コンテンツマーケティングに限らず、マーケティング活動においてもっとも重要なことのひとつは、「一貫したメッセージを顧客に発信していくこと」です。

    関連性のある一貫したメッセージをもって、顧客と対話し続けることができなければ、顧客の信頼と興味を失ってしまうことになりかねません。一度失った信頼と興味を取り戻すのは非常に難しいことでしょう。

    だからこそ、どんなマーケティング活動においても、関係者全員が共通認識をもって顧客と接することができるように、ペルソナを設定して関係者間で共有しておくことが重要なのです。
    ここでいうマーケティング活動というのは、なにもオンラインマーケティングだけを指しているわけではありません。オンライン・オフラインを問わず、また営業部署やカスタマーサクセス部なども同様に、ペルソナを共有することができれば、組織全体が同じ方向を向いて相乗効果を高めることも可能になります。

    ペルソナが、コミュニケーションやコンテンツの「質」を左右する

    コンテンツマーケティングを実施するのであれば、コンテンツの「質」は非常に重要な課題です。
    誰もが質の良い、有益なコンテンツの制作を目指し、ありとあらゆる手段を用いて顧客の興味を惹こうとしています。その際に指針となるのが、ペルソナです。
    次項で解説いたしますが、ペルソナを作成する過程においては、さまざまな手段を用いて顧客のことを理解することにフォーカスしていきます。「顧客がなにを望んでいるか?」を徹底的に深堀していくのです。



    なぜ? どのように? なにを?
    を明らかにしていくことで、最適なメッセージ訴求方法を見つけ出します。



    コンテンツ制作においても、ペルソナによってターゲット顧客を深く理解することで、「なんのために」「どうやって」「なにを伝えるか」を導き出すことができます。そしてそれによって、顧客にとって有益で価値のある、質の高いコンテンツ作りが可能になります。

    メッセージやコンテンツの「質」が、いかに売上を左右するか?という点については、マーケターにとっては周知の事実だと思いますが、ここで改めて、あまりにも有名なTEDx Talks を掲載しておきます。メッセージの質が売上を左右するという点において、これ以上の説得力を持つコンテンツを知りません。この動画を見た人なら、「ペルソナを作るなんて、意味がない」とは言わないはずです。

    @youtube

    なぜから始めよう ― 優れたリーダーはいかに行動を奮い起こさせるか | サイモン・シネック | TEDxPugetSound

    ペルソナを作成するための5つのステップ

    ペルソナを作成するための5つのステップ

    ペルソナの作成手順をご紹介する前に、ターゲットとペルソナの違いについて、少しご説明しましょう。
    ターゲットとは、年齢や性別、属性などの大枠で顧客をグルーピングしたものです。それに対してペルソナは、趣味や思考、行動パターンや抱えている悩み・課題について、あたかも存在しているような人物像を作っていくことで、顧客のインサイトを把握します。
    ペルソナを作成していくにあたっては、この2つの違いについて理解をした上で進めていきます。

    (表1)ターゲットとペルソナの例

    degitoo-blog2-table01.svg

    <STEP1>ターゲットの優先順位を決定し、優先すべきターゲット層を絞り込む

    ペルソナを作るために、まず最初に行うことは、ターゲットの絞り込みです。
    まだペルソナを設定していない企業でも、ターゲットが誰なのか?については答えを持っていることでしょう。
    しかし、ペルソナを持っていない企業の場合、このターゲット層が非常に幅広いことが多い印象です。「ターゲットはすべてです。」という回答も頻繁に耳にします。

    もちろん、製品やサービスの販売を行う際に、ターゲットを絞りたくないと考えることは、マーケットの広さを考えれば当然です。ターゲットがすべてであることが問題なのではなく、すべての人に刺さるメッセージやコンテンツは存在しないという点が問題です。いえ、正確には、「すべての人に向けたメッセージやコンテンツは、誰にも刺さらない」という点が問題なのです。

    そのため、もっとも優先すべきターゲットを選定し、さらにその中で理想的な1人の顧客をペルソナとして設定することが必要です。その上で、その人に向けて語りかける必要があります。

    しかしもし、本当にターゲットALLなのであれば、それでも良いのです。
    その場合は、ターゲットをセグメントしていき、各セグメントごとにペルソナを作成することが必要になります。そして、ペルソナごとに、個別のコンテンツを発信していく必要があります。

    ただ多くの場合、一度に数多くのペルソナを設定し、それぞれに刺さるメッセージを開発し、さらにそれぞれの課題を解決するためのコンテンツを用意することはリソースの問題で難しいと思います。

    これからペルソナを作る場合は、まずは1つ、もしくは2つのペルソナにフォーカスすることが、結果的に効率的に成果を上げることにつながります。1つ、2つのペルソナを元にオウンドメディアやコンテンツを作成し、成功パターンを見つけた後に、ペルソナを増やしていけばいいからです。
    では、どのようにしてターゲットの優先順位を決めていけばいいのでしょうか?ポイントは5つです。


    • 有効な規模かどうか
    • 強すぎる競合が存在しないかどうか
    • これからニーズが増えそうかどうか(成長性)
    • コンテンツマーケティングのためのペルソナ設定の場合、オンラインで獲得できる層かどうか
    • 影響力があるかどうか(波及効果)

    以上の5点について、ターゲット層それぞれを評価していきます。そうすることで、もっとも優先すべきターゲットはどの層なのか、が明確になっていきます。


    仮に上記の基準をもとにしてもターゲットの優先順位が決定できなかったとしたら、その際は、この5点+「社内に協力者が多いかどうか」も判断基準に含めてもいいと思います。しかしこの基準は、本質的な基準で優先度を決めているのではなく、作成者都合を判断基準に含めることになりますので、どうしても、というときだけ使用することをオススメします。

    <STEP2>ターゲットの中で、理想的な顧客の属性を決定する

    <STEP2>ターゲットの中で、理想的な顧客の属性を決定する

    優先すべきターゲットが決定したら、ようやくペルソナ作成を進めることができます。
    まずは、決定したターゲット層の中で、理想的な顧客の属性を決めていきます。
    その際の項目としては、氏名・年齢・勤務先・職種・年収・居住地・勤務先所在地・興味関心などから考えていきます。しかし、もっとも重要なのは、以下の3点です。

    【目的・ゴール】ペルソナが貴社の製品やサービスを利用して、なにを達成したいと考えているか

    例えば貴社がMAツールを提供するBtoB企業だと仮定した場合、ペルソナのゴールは、「MAツールを導入することによってマーケティング業務の自動化を行い、効率化することでリソースを削減したい。またそれによって、リソース不足で実現できていなかった施策を実行し、売上を向上させたい。」などが考えられます。

    【課題とそれによって起こる問題】目的やゴールが達成されていない原因と、具体的にどんな不都合があるか

    これらは、目的やゴールの裏返しになります。上記の例を使って説明すると次のようになります。

    「非効率な業務フローが原因で、新しい施策を実行することができないだけでなく、各施策に対して十分な効果検証もできていない状態で、思うように成果が上がらない。さらに競合企業が次々とキャンペーンを行なっていて、自社の顧客が取られている状態。このままでは目標売上を達成できず、自分の目指すキャリアプランも達成できなくなるのでは…」

    【業務上、購買においての役割】BtoB企業の場合は必須項目。

    BtoCの場合は、購買に関わるのは多くの場合自分一人です。それに対してBtoBの場合は、購買活動に関わる人数は年々増える傾向にあります。(参照)設定するペルソナが、マネジメント層で自身に決定権があるのか、一般社員で複数の上司の承認を取る必要があるのかによって、ペルソナの購買における行動は大きく違うはずです。
    また、業務上でペルソナがどんな役割を果たしているのか、どのようなKPIを追っているのか、などを知ることで、より広い視野でペルソナの抱えている課題や目的を深掘りすることが可能になります。

    上記3点に共通して言えることですが、これらを設定する際は、「コスト削減」「収益増加」「リソース不足」などと、項目のみを記載するのでは意味がありません。より詳細に記載していく必要があります。詳細に記載していくことによって、SEOのキーワード対策を実施する際の、目標キーワードを探すヒントにもなります。

    STEP3では、よりペルソナのことを深く知るための手法について解説します。

    <STEP3>ペルソナの感情・行動・課題について「なぜ?」を深堀する

    <STEP3>ペルソナの感情・行動・課題について「なぜ?」を深堀する

    この段階では、STEP2で定義していった内容を、さらに掘り下げていきます。
    その際に、ペルソナ作成者の想像で深掘りをすることはできません。仮にできたとしても、それは思い込みの可能性があり、精度の低いペルソナになってしまいます。
    また、STEP2で記載した内容は、まだ仮説の段階ですので、このSTEP3で裏付けを取っていきながら、内容の掘り下げとともに修正も行なっていきます。

    ◆方法1:営業など、ペルソナと直接接する人にインタビューする

    社内で、もっともペルソナに近い人にインタビューを行う方法です。それは営業担当者の場合もあるでしょうし、カスタマーサクセスやカスタマーサポートの人かもしれません。いずれにしても、ペルソナと日頃会話をしている人に質問を投げかけます。

    ◆方法2:統計や調査データを活用する(BtoCの場合はSNSも活用できます)

    2つ目の方法は、定量・定性調査データをもとにペルソナを深掘りする方法です。有料の統計データを購入する、Webサイトを分析する、自社のターゲットに対してアンケート調査を実施する、などの方法です。これに加えて、特にBtoCの場合などは、SNSを調査してペルソナの投稿を定性的に分析することもできるでしょう。これらのデータを組み合わせて細かい統計を作成していけば、仮説として立てたペルソナの定義を検証することができますし、新しい発見を得られるかもしれません。

    ◆方法3:直接ペルソナにインタビューする

    上記で2つの方法をご紹介しましたが、もっとも近道で確実なのはこの方法です。何人かのペルソナに直接インタビューを行う方法。しかしそれにはSTEP2で想定したペルソナにぴったりな人を見つける必要があります。

    その方法は以下のようなものです。


    • 既存顧客の中から協力してくれる人を探す
    • 見込み顧客の中から対象者を探す。この場合は、自社のハウスリストを使ってコンタクトを取ります。
    • 社員の人脈からの紹介
    • リサーチ会社へ依頼する

    などが考えられます。いずれにしても、協力していただくに当たって、何かしらのベネフィットが必要です。決してセールスが目的ではないことを理解していただき、相手の都合に合わせてセッティングする必要があるでしょう。

    また、どの方法でも同じですが、ペルソナの感情や行動、課題を掘り下げて行くためには「なぜ?」と質問を重ねていくことで徐々に情報の深度が深くなっていきます。そうやって質問を重ねながら、本質や動機を見つけていくのです。

    インタビューの際に役立つ、『ペルソナ作成を助ける30の質問』をご提供しています。BtoB企業のペルソナを完成させるためのテンプレートも同梱していますので、ぜひご活用ください。

    <STEP4>理想的な顧客(=ペルソナ)の人格を形成していく

    <STEP4>理想的な顧客(=ペルソナ)の人格を形成していく

    この段階では、いままで集めたペルソナについての情報をまとめながら、ストーリーを完成させます。
    ペルソナは「あたかも存在するかのような人物像」を作り出すことが重要です。STEP2でもご説明しましたが、箇条書きの状態ではうまく人物像をイメージすることができないと思います。特に調査データなどから取得した情報は無機質なものになりがちですので、感情やストーリーを肉付けしていく必要があります。その際には、ペルソナの一人称で、状態ごとにどういう感情を持っているか、も含めて情報をまとめていきましょう。

    <STEP5>完成したペルソナを精査する

    ペルソナが完成したら、まずは営業やカスタマーサポートなどの人に見てもらいましょう。作成したペルソナが、直接顧客と接している人の印象に近いかどうかを確認します。違和感があるようであれば、STEP3に戻って再度情報を集める必要がありますが、問題がなければ、この時点で一旦完成です!

    しかしペルソナは、一度完成したからと言って、これが100点のものになっているとは限らないものです。
    そのため、作成したペルソナをもとに施策を実行し、その結果検証を経て、どんどんアップデートしていく必要があります。そうすることで徐々に、本来の意味で完成に近づいていきます。

    BtoB企業のペルソナ作成に役立つテンプレートをご提供しています。

    コンテンツマーケティングでペルソナを有効活用する方法

    せっかく作ったペルソナも、うまく活用できないというお話を聞くことがあります。しかしペルソナは、うまく使えば、マーケティング戦略に大きな影響を与えることができます。ここでは、ペルソナを最大限に活用するためのポイントをいくつかご紹介します。

    ◆ポイント1:集客のためのキーワード選定

    詳細で具体的なペルソナには、SEO対策に役立つキーワードのヒントが隠されています。特に、課題や問題、目的からはロングテールキーワードを見つけ出すことができるはずです。キーワード戦略については、別記事でご紹介(近日公開予定)いたしますが、その際にもペルソナが非常に重要な役割を果たします。

    ⇨キーワード戦略についての解説は近日公開予定

    ◆ポイント2:デザイン

    オウンドメディアやLPなどの制作の際は、ペルソナの特徴に合ったトンマナで作成する必要があります。例えばスタートアップ企業で働く20代のエンジニアに向けてのデザインと、金融業界で働く50代のベテラン社員に向けてのデザインは全く異なります。金融業界で働く50代の人に向けて作成されたLPに、20代のエンジニアが訪れた場合、仮に内容が同じであっても、「これは私向けのサービスではない」と認識され、直帰を促します。それを防ぐために、ペルソナをもとにデザインを最適化していきます。

    ◆ポイント3:コンテンツ制作

    ペルソナがもっとも強い影響を与えるのは、やはりコンテンツ制作です。

    • ペルソナの興味関心を引くためのコンテンツ
    • 課題解決のためのコンテンツ
    • 購買を後押しするためのコンテンツ

    など、どのコンテンツを作成する際でも、ペルソナがコンテンツの質を大きく左右します。(2-3またコンテンツをいつ、どのチャネルで公開するか、という点の答えもペルソナに隠れています。これらの答えは、ペルソナによって異なるものです。複数のペルソナを作成した場合は、それぞれにパーソナライズ化したコンテンツを提供し、Webサイト上で出し分けを行うなどしてCVR(コンバージョン率)を向上させることもできます。

    ⇨より詳しい、コンテンツ戦略についての解説は近日公開予定


    オンライン上では常に、情報が氾濫しており、その中で顧客は、自分が必要とする情報を探している状態です。しかし限られた時間の中で、いかに早く必要な情報だけを探し出すかが重要な現代では、顧客は自分向けに作られていないコンテンツに時間を割くことはありません。そのため精度の高いペルソナと、ペルソナをもとに作るカスタマージャーニーマップが重要になるのです。
    『【テンプレート付き】カスタマージャーニーマップ作成方法と3つの事例を解説』

    現在トランスコスモスでは、BtoBコンテンツマーケティング施策を成功に導くための「マーケティング講座」のうち第1回を無料で実施しております。全5回を受講いただくと、ワークショップによってカスタマージャーニーマップが完成します。

  • コンテンツマーケティングとは?メリット・デメリットから戦略手法までを徹底解説

    コンテンツマーケティングとは?メリット・デメリットから戦略手法までを徹底解説

    コンテンツマーケティングの定義と目的

    コンテンツマーケティングとは

    「コンテンツマーケティングとは、明確に定義されたターゲットを惹きつけて維持するための戦略的なマーケティング手法です。一貫性のある有益なコンテンツを作成し、配信することに注力することで、最終的には、収益性の高い顧客行動を促進します。」
    “” Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action. “”

    (出典:Content Marketing Institute 社

    コンテンツマーケティングはアメリカでは歴史が古く、2000年以前から存在していた戦略的マーケティング手法のひとつです。アメリカでは2010年以降(図1)、日本では2014年頃(図2)から広く活用されている手法ですが、コンテンツマーケティングの定義を正しく説明することができる人は少ないのではないでしょうか。冒頭でご紹介した解説文は、アメリカのContent Marketing Institute社によるコンテンツマーケティングの定義ですが、この解説文の中でキーになる単語は、“valuable”の部分、つまり ”価値があるコンテンツ” を配信するという点が重要になります。この部分こそが、従来の広告やそれに類するマーケティング手法とは決定的に異なる点と言えます。

    アメリカ合衆国での『Content Marketing』検索数推移
    図1:アメリカ合衆国での『Content Marketing』検索数推移
    日本での『コンテンツマーケティング』検索数推移
    図2:日本での『コンテンツマーケティング』検索数推移

    ※海外は順調に伸びているのに対し、日本のコンテンツマーケティングが伸び悩んでいる理由は、最終の7章に記載しております。

    コンテンツマーケティングの目的

    コンテンツマーケティングでは、広告のように直接的に製品を売り込むことは行いません。代わりに見込み顧客に対して、有益で価値のある情報を提供します。それによって顧客の課題を解決し、自社のファンとなってもらい、さらには顧客が本当に自社製品を必要と感じたタイミングで、購買への後押しを行うことが目的となります。

    たとえば、企業のWeb担当者が上司からSEO対策を強化するよう言われたとします。その時に「SEO対策はしているつもりだけど、さらにやれる対策はあるかもしれない」と考えました。その男性はまず、情報を得るためにインターネットで「SEO 対策」と検索し、そこでヒットしたあるWebマーケティング会社のブログにたどり着きました。その企業はブログで自社のソリューションを宣伝するわけではなく、SEOの仕組みや、Web全般の初心者〜玄人までに役立つマーケティングコンテンツを多く提供していたため、男性は好感を抱き、何度もそのブログに訪れるようになりました。そうするうちに、徐々に自社の課題が明確になっていき、「自社の課題を解決するために必要なのはSEOではなく、コンテンツマーケティングだったんだ」と新たな発見を得て、気が付くとそのブログのファンとなっていきました。

    この時点でまだ男性は、このWebマーケティング会社の顧客ではありません。しかし男性はこのブログのメルマガ登録を行なっていました。そこで定期的にコンテンツマーケティングに関する最新記事をメルマガで紹介すると、彼がメールを閲覧し、リンク先をクリックして記事を閲覧していることが確認できました。コンテンツマーケティングへの関心が高まった状態です。

    この状態の彼に、コンテンツマーケティングについてのセミナーやキャンペーンの案内を行うと、どうなるでしょうか。十分に顧客となる可能性があります。少なくとも、突然電話をかけて「コンテンツマーケティングをやりませんか?」と営業をするよりは遥かに有効であるはずです。

    コンテンツマーケティングの範囲
    図3:コンテンツマーケティングの範囲

    このようにコンテンツマーケティングでは、見込み顧客を集客し、リードを取得し、必要なタイミングで必要なアプローチを行う一連の流れを実現します。

    コンテンツマーケティングがいま、必要とされる3つの理由

    では、なぜいまコンテンツマーケティングが必要とされているのでしょうか。
    大きく分けると理由は3つです。

    • 従来の売り込み型のマーケティング手法が効果的ではなくなってきている
    • 検索エンジンが、検索ワードそのものよりも、ユーザーの検索意図を満たすことを最重要と捉えるようになった
    • コロナ禍において、企業がオフラインで得ていた顧客との接点を、オンライン上で代替する動きがある

    これらの3つの背景があり、いま、まさに注目を集めているコンテンツマーケティング。
    特に(1)の点においては、従来型の広告に対して嫌悪感を持つユーザーが増えてきていることもあり、アウトバウンド型(図4)の広告を大量に打つことが、むしろ逆効果になる場面も見られるようになってきました。Webサイト閲覧中に頻繁に現れるバナー広告や、YouTube閲覧中に差し込まれる広告に対して、ネガティブな気持ちを抱いた経験がある方も多いのではないでしょうか。

    アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティング
    図4:アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティング

    ニールセンによる調査(図5)によると、新商品情報の入手経路として、「インターネット検索」を選んだ人は68%で、第1位の結果でした。一方で、情報を一方的に受け取る「テレビ広告」から情報を入手する消費者は、年々減少傾向にあり、調査が行われた2015年の時点でも50%と第3位の結果でした。この傾向は今後さらに鮮明になっていくことは間違いないでしょう。

    Nielsen Global New Product Innovation Survey, Q1 2015
    図5: Nielsen Global New Product Innovation Survey, Q1 2015

    ※数値は、新商品情報の入手経路として上位5つまでに選択した人の割合を合計した値

    また、リスティング広告も同様に、ユーザーから回避される傾向にあります。
    (図6)で示したものは、6つの異なる業界の30のWebサイトのデータを分析したもので、3億1,000万人のユーザーがWebサイトに訪れる際の経路を示したデータです。これを見ていただくとわかるように、64%のユーザーが自然検索からWebサイトに訪問しています。一方でリスティング広告からは、わずか6%でした。

    この2つの調査からわかることは3つです。

    • 消費者が新商品情報を入手する際は、68%が能動的にインターネット検索を行っている
    • インターネット検索を行った際も、検索結果に表示されるリスティング広告は回避される傾向である
    • Webサイトのトラフィックの最大64%がオーガニック経由のトラフィックである

    つまり、消費者が購買行動を行う際は、一方的に与えられた広告の情報を参考にするのではなく、能動的に、インターネット検索を行いながら欲しい情報を探し、十分に調査をした上で購買の意思決定を行っていることがわかります。

    Webサイトのトラフィックの最大64%がオーガニック経由である。リスティング広告はわずか6%
    図6:Webサイトのトラフィックの最大64%がオーガニック経由である。リスティング広告はわずか6%

    出典:Search Engine Watch

    さらには、コロナ禍において、実店舗や展示会などで実際に製品を手に取る機会が減ってきていることから、Web上で消費者を集客し、購買行動を促進していくことが、より重要性を増してきています。

    加えて、Google検索エンジンが年々「ユーザーの検索意図」を重要視する傾向にあることもコンテンツマーケティングの拡大に拍車をかけています。なぜなら、正しい方法でユーザーの検索意図を満たす有益なコンテンツを提供していくことは、コンテンツマーケティングの重要な要素の1つであり、最も得意な部分であるからです。

    ⇨ 有益なコンテンツの作成手法についての解説記事は近日公開予定

    こういった背景によって、いま、コンテンツマーケティングが多くの企業から注目されているのです。
    アメリカではすでに、B2Bマーケターの91%、B2Cマーケターの86%がコンテンツマーケティングを戦略に取り入れている状態(図7)ですが、日本でも今後さらにコンテンツマーケティングの需要は高まっていくでしょう。

    B2Bマーケターの91%、B2Cマーケターの86%がコンテンツマーケティングを戦略に取り入れている
    図7:B2Bマーケターの91%、B2Cマーケターの86%がコンテンツマーケティングを戦略に取り入れている

    出典:Demand Metric 社

    次項では、実際にコンテンツマーケティングの実施を検討したい方のために、メリット・デメリット双方の視点から、さらにコンテンツマーケティングを掘り下げて解説します。

    コンテンツマーケティングの5つのメリット

    コンテンツマーケティングの主なメリットは5つあります。以降3-1から3-5にて、一つ一つ解説していきます。

    顧客との永続的な関係構築ができ、既存顧客だけでなく見込み顧客のロイヤリティが構築できる

    ユーザーにとって、実用的なコンテンツを継続的に提供していけば、ユーザーが貴社の声に耳を傾けるようになるでしょう。貴社をその分野の専門家として認識するようになり、ユーザーはその分野で困ったことがあれば最初に貴社サイトに目を向けるようになります。この繰り返しによって、顧客との信頼関係が構築されていきます。

    特に高価な製品、説明が必要な複雑なサービス、実際に使用してみないと効果がわかりづらい商品などに対しては、「専門性」と「信頼性」をベースに、どれだけうまくサービス・製品の良い点を伝えられるかが肝となるはずです。そのため、コンテンツマーケティングによって、既存顧客だけでなく見込み顧客に対しても、専門性のアピールや信頼関係の構築ができるという点は非常に大きなメリットとなります。

    インバウンドリードを生み出せる

    コンテンツマーケティングの最も重要なメリットの1つは、インバウンドリードを生み出すことです。質の高いコンテンツを発信し続ければ、Googleからのサイト評価が上がっていき、貴社サイトが検索結果上位にランクインするようになります。これによって広告費をかけずとも、自社製品に興味を持つ顧客が集まるようになり、訪問した顧客が貴社独自のリードとなっていく機会が増えていきます。

    続けるほど費用対効果が高くなり、自社の資産として蓄積できる

    コンテンツマーケティングの実施を検討する際に、特に気になる費用対効果。
    Demand Metric 社によると、コンテンツマーケティングのコストは従来の広告などのマーケティング手法より62%低いという調査結果があります。効果を得るためには常に出稿し続けなければならない広告とは異なり、コンテンツマーケティングは継続的に続ければ続けるほどリード獲得単価が安くなっていきます。当然、開始直後は初期開発費用がかかりますが、おおむね開始から5カ月でリード獲得単価が80%減少するという調査結果もあります。(図8)

    このように、コンテンツマーケティングを継続することで、

    • コンテンツの精度が上がり徐々に費用対効果が高くなっていく
    • コンテンツが正常に機能するようになれば、コストや手間を掛けなくても効果が出るようになる

    というコスト面でのメリットがあります。同時に自社コンテンツ、自社独自の顧客リストがオウンドメディア内に蓄積されていくため、中長期的に見れば非常に大きな資産となっていくのです。

    開始から5カ月でリード獲得単価が80%減少する
    図8:開始から5カ月でリード獲得単価が80%減少する

    出典 : Kapost & Eloqua Research Study

    顧客の購入の意思決定を促進できる

    2章でご説明した通り、顧客の購買活動はインターネット検索から始まります。

    • 検索結果上位に貴社コンテンツが表示されている
    • コンテンツによって顧客を課題解決に導くことができている
    • 課題が解決されたことにより次のステップの疑問が生まれ、その解決法も提供できている

    (1)~(3)の繰り返しにより、はじめは潜在顧客だったユーザーを見込み顧客にまで育成していきます。
    コンテンツマーケティングのメリットは、コンテンツによって顧客の課題を顕在化し、購買意欲を高めることができる点にあります。

    ⇨ この購買行動に関してはBtoBであっても同様です。BtoBの場合のより詳しい解説はこちらをご覧ください。

    SNSによってフライホイール効果が加速する

    コンテンツマーケティングにとって、切っても切れない存在であるSNS。
    BtoC、BtoBに関わらず、インバウンドマーケティングの鍵となるのは自社の優良顧客となった推奨者です。

    • まず自社のコンテンツによって興味を惹く
    • 有益な情報を提供することで信頼関係を築く
    • 継続的な情報提供・課題解決によって顧客に満足してもらう

    この3つの工程を経て、推奨者が生まれます。推奨者は、自身のSNSやYouTubeなどを経由して、新たな顧客を連れてきてくれるため、推奨者が多ければ多いほど、ビジネスが加速するのです。コンテンツマーケティングでは、定期的にコンテンツを公開し、SNSを利用してPRを行い、新たなユーザーを増やしていきながら「フライホイール効果」を生みます。

    *1 :フライホイール効果とは:フライホイールは、もともとは回転系の慣性モーメントを利用した機構に用いられる機械要素のひとつ。マーケティング分野では “マーケティングファネル” に代わる新しい考え方として生まれたもので、実際の取引の有り無しに関わらず、顧客満足を優先することによって企業と顧客間の信頼関係を構築していく循環プロセスのこと。フライホイールは動き出すための時間はかかるが、回転を始めれば自力で加速度的に回転を続ける。
    フライホイールマーケティング / 興味を引く(Attract)→信頼関係構築(Engage)→満足してもらう(Delight)
    図9:フライホイールマーケティング / 興味を引く(Attract)→信頼関係構築(Engage)→満足してもらう(Delight)

    出典:NEW BREED+

    コンテンツマーケティングの3つのデメリット

    コンテンツマーケティングのデメリットは一言で言うと、効果が現れるまで時間がかかる点です。

    コンテンツを公開してからSEO効果が現れるまで数カ月が必要

    時間がかかる要因として最も大きいのが、SEOの部分。
    仮に100点のコンテンツを公開したとしても、実際にSEO効果が現れ集客が実を結ぶのは、早くとも3~6カ月が必要です。この期間はSEOの仕組み上、短縮することができない部分です。

    しかし実際は、初めから100点のコンテンツ制作が叶うことはあり得ません。通常は、試行錯誤を繰り返し、何度も改善を行っていきながら効果的な方法を見つけていきます。そのため、やみくもにコンテンツを制作していくのではなく、少しでも早く効果を出すために、また失敗を最小限にするために、コンテンツマーケティングでは中長期的な戦略が必須なのです。

    『6.いますぐ実施できるコンテンツマーケティング戦略手法を解説』

    スキルのある人材を確保することが難しい

    コンテンツマーケティングは、工夫をすれば初期費用を限りなく抑えて小さく始めることが可能です。
    極端な話にはなりますが、無料のブログツールを使って、社内の誰かに記事を書いてもらえばいいわけです。
    しかしコンテンツマーケティングを成功させるためには、実際は多くの知識やスキルが必要になってきます。

    • 自社製品への理解
    • ライティング力
    • SEOの知識
    • Webサイト構築についての知識
    • 自社分析・競合分析するためのツール知識とその活用法についての知識
    • SNS運用の知見
    • マーケティングオートメーションの知識
    • オンラインマーケティングの知識

    など、これらすべてを兼ね備えた人材の確保はなかなか難しい場合も多いと思います。

    特にコンテンツマーケティングでは、質の良い記事を定期的に公開し続けなければなりません。記事を月に1本だけ更新する、という方法では効果が出るまでにあまりに時間がかかりすぎるからです。そのため自社内でコンテンツマーケティングを実施していくためには、専任の人材が必要になるでしょう。その点で、時間・人件費などのコストが大きい面はデメリットといえます。

    一部効果測定が難しく、社内理解を得るための工夫が必要

    検索経由のセッション数やCV(コンバージョン)数を測定することは容易です。しかしコンテンツマーケティングで得られる効果は集客と売上だけではありません。ブランドの認知やロイヤリティ、顧客の意識変化など、定量的な数字では測定が難しい指標も存在します。
    企業が施策を実施する場合には、事前の目標設定(KGI・KPI設定)やROI(費用対効果)などについての社内説明が必要になるでしょう。数値化が難しい効果も含めて、社内上層部に効果を説明し予算や時間を確保するためには、コンテンツマーケティングへの深い理解と工夫された説明が必要になります。

    社内の理解不足にお困りの方はこちらの記事をチェック

    『BtoBコンテンツマーケティングの5つのお悩み&解決法とは?<課題⑤>』
    ⇨ コンテンツマーケティングにおける効果測定法の解説記事は近日公開予定

    コンテンツマーケティングとSEOとの違い

    コンテンツマーケティングとSEOの関係性

    図 10:コンテンツマーケティングと SEO の関係性

    コンテンツマーケティングと SEO の 2 つは関連性(図 10)があるものの、個別の異なる戦略です。この違いを理解することによって、本来のコンテンツマーケティングの効果を狙うことができます。

    まずは簡単にコンテンツマーケティングと SEO の違いを比較してみましょう。(表 1)

    (表1)コンテンツマーケティングとSEOの比較表
    degitoo-blog1-table01.svg

    (表1)で確認できるように、SEOはテクニカルな側面を持ち合わせた、検索エンジン最適化のための手法です。一方コンテンツマーケティングは、より包括的にさまざまなコンテンツを使ってユーザーを惹きつけ、コンバージョン(購買やお問い合わせ完了)まで誘導していく手法です。

    ひとつ、例を挙げてご説明します。

    ◆A社の場合
    ある業務用ソフトウエアメーカーA社が、自社製品についての紹介コンテンツをWeb上に公開したとします。製品の特長や使い方だけにとどまらず、Q&Aやサポート情報なども丁寧に説明しました。もちろん、SEO対策も忘れてはいません。競合企業の研究も行ってSEOのためのキーワード戦略も実施済みです。Webサイトのデザインは見やすく使いやすい構造になっているし、Googleガイドラインに沿ったコーディングも実施済み。担当者はこれで完璧だと満足しています。

    ◆B社の場合
    一方、A社の競合であるB社も、自社Webサイトにコンテンツを準備していました。ただB社の戦略はA社とは若干異なります。B社は製品情報だけではなく、一見、製品購入からは距離がありそうなコンテンツも用意しました。たとえば、業務改善に役立つコンテンツやリモートワークに関するコンテンツなど…。もちろんB社もキーワード戦略やWebサイトのUIUXは万全です。

    コンテンツマーケティングとSEOの比較表を見ていただいた方はもうお分かりだと思いますが、A社が実施したのはSEO施策、それに対してB社が実施したのがコンテンツマーケティングです。

    A社の場合、SEOに成功したとしても、自社製品にすでに興味を持っているユーザーは獲得することができますが、そうでないユーザーの獲得は難しいでしょう(図11)。たとえ検索経由で流入しても、「私にはいまはこの製品は必要ではない」と判断されれば、そのユーザーはWebサイトから離脱してしまうからです。

    B社の場合はどうでしょうか。こちらは、直接B社の製品に関心がない場合でも、業務改善やリモートワークに関心があるユーザーを獲得できます。(これが潜在顧客と呼ばれる層です)さらにコンテンツの中で、ユーザーの疑問や課題解決のヒントを提供することで、そのユーザーは再びサイトを訪れてきてくれる可能性もあります。そういった体験を重ねていくうちに、ユーザーがB社の声に耳を傾けるようになるのです。

    A社とB社が獲得できる顧客の比較
    図11:A社とB社が獲得できる顧客の比較

    その状態のユーザーに対して、たとえば「B社の製品を使えば業務改善のスピードが加速しますよ」と伝えれば、潜在顧客だったユーザーがB社の製品を認知し、興味を持ってくれる可能性が高まります。こうすることで、潜在顧客が顕在顧客へと変化を遂げるのです。顕在顧客に対しては、事例コンテンツや製品に関するホワイトペーパーなどを提供することで、購買の後押しをすることが可能になります。

    このようにコンテンツマーケティングは、コンテンツによって自社製品を認知していない状態の顧客に対してもアプローチをし、購買まで誘導していくことができる施策です。もちろんSEOとも密接な関係がありますが、コンテンツマーケティングの場合は、同様の流れをSNSや動画経由でも実施することができます。
    つまりコンテンツマーケティングにとって、コンテンツの種類はあまり関係のないもので、検索経由の集客だけを目的としているSEOとは大きく異なる点です。大事なのはターゲットとなるペルソナを充分に研究し、そのペルソナのニーズを満たすためのコンテンツを提供することでペルソナを購買にまで導いていくこと。それがコンテンツマーケティングの本来の効果であり、決してSEOや集客だけを目的とした施策ではありません。

    『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    いますぐ実施できるコンテンツマーケティング戦略手法を解説

    コンテンツマーケティングに戦略が欠かせない理由

    コンテンツマーケティングにとって戦略立案が最も重要
    図12:コンテンツマーケティングにとって戦略立案が最も重要

    第5章でご説明したように、コンテンツマーケティングは包括的な施策です。SEOほど具体的な手法が確立されているわけでもありません。業種や企業、ペルソナごとにコンテンツマーケティングの正解は異なるため、他社の真似をするだけでは不十分で、自社独自の戦略を立てる必要があります。
    またコンテンツマーケティングにとって、コンテンツの内容は重要な役割を持っていますが、それだけに集中していれば成功するといった考え方は正しくありません。営業活動を含むマーケティングプロセス全体の中で、その一部としてコンテンツマーケティングを機能させる必要があるからです。

    だからこそ、コンテンツマーケティングにとって、全体が見渡せる戦略を作ることが非常に重要なのです。

    一見、戦略を立てずに目の前にあるできることから進めていく方が早道に見えるかもしれません。しかし戦略がなければ、チームが向かっていく方向性が見えないまま進んでいくことになります。
    そうするとどうなるでしょうか。フォーカスすべきターゲットも決まっていない、戦術も決まっていない、ゴールも決まっていないという状況では、各担当者がそれぞれバラバラの施策を実行してしまい、一貫性のないコンテンツ群が出来上がってしまいます。これでは広大な砂漠の中で個々人がいろんな場所で勝手に水やりをしているようなもので、非常に効率が悪い状態です。

    はじめに戦略を立てておけば、実際にコンテンツが完成するまでの期間は一見長く感じますが、目標とするゴールと道のりについてチームで共通認識を持つことができますので、回り道をすることなく、チーム一丸となってゴールに向かっていくことができます。そうすることで、ペルソナに向けて一貫したメッセージを発信していくことができるのです。

    本記事冒頭でご説明した通り、「一貫性のある有益なコンテンツを作成し、配信することに注力することで、最終的には、収益性の高い顧客行動を促進すること」がコンテンツマーケティングの本質ですから、戦略なしで実施されたコンテンツマーケティングは、もはやコンテンツマーケティングとは言えないのです。

    以降の章では、自社独自の戦略立案を行うためのフレームワークを徹底解説していきます。

    独自の戦略立案を行うためのコンテンツマーケティング フレームワーク < 7 STEP >

    コンテンツマーケティング戦略立案の7STEP
    図13・コンテンツマーケティング戦略立案の7STEP

    ◆STEP1:目標設定(KGI・KPI設定)

    戦略を立てるうえで最も大切なことは、最初に目標設定を行うことです。
    KGIやKPIは、組織全体のベクトルの統一化ができるよう、具体的かつ定量データで設定する必要があります。

    <手順例>

    • 組織全体の売上目標のうち、オンライン経由で獲得すべき売上目標を設定する
    • 売上目標を年度ごと、期ごとに分解していく
      (購買までのリードタイムが長い製品については、リードタイムを考慮した上で期ごとに分解する必要がある)
    • 受注率から逆算し、必要な集客数・リード件数を導き出す
    • 現状との乖離数を確認したうえで、具体的なWebの指標(PV・セッション・CVRなど)に落とし込んでいく

    基本的な流れとしては上記のような流れになりますが、ここで決定した目標値は、この後に検討する戦略内容によって調整する必要が出てくる場合も多いです。その場合は、STEP7のブループリント作成時に戦略内容に合わせて修正を行います。

    ◆STEP2:ユーザー分析(ペルソナ・カスタマージャーニーマップ設定)

    コンテンツマーケティングにとって、最も重要なことは、ユーザーを深く知ることです。ユーザーを知らなければ、どんな内容のコンテンツを作成すべきか方向性も見えてきませんし、やみくもにコンテンツを制作してしまっては、的外れな内容になることも多いでしょう。
    また、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成することで、組織内でターゲット像を共有することができます。そうすることで、担当者間で顧客の課題やニーズに対して共通認識を持つことができ、一貫したメッセージを発信することが可能になります。

    ペルソナ・カスタマージャーニーマップの作成方法はこちらで詳しく解説しています
    『【テンプレート付き】実践版!オウンドメディア戦略におけるペルソナ設定手法』

    ◆STEP3:現状調査(定量・定性分析)

    ここでは自社の現状を把握するために定量・定性双方の視点から以下2つの調査を実施します。

    • Google AnalyticsなどのWeb解析ツールを用いたサイト調査
    • 競合他社との比較による現状サイトのヒューリスティック調査

    定量調査では、現状のユーザー行動に対する傾向を数値的に把握することができますが、一方でユーザーのインサイトを把握することはできません。そのためユーザー視点に立った考察が可能な、定性分析も同時に行う必要があります。
    これら2つの調査から、自社が抱える課題を抽出していきます。

    ◆STEP4:キーワード分析

    コンテンツを制作するうえで欠かせないのがキーワード分析です。狙っていきたいキーワード目標を設定することによって、コンテンツの方向性が明確になり、同時にテクニカルなSEO対策の基盤にもなります。

    <手順例>

    • 現状の流入キーワードの分析
    • ペルソナ、カスタマージャーニーマップからユーザーニーズに合ったキーワードの洗い出しリストアップしたキーワードに対して、優先順位を決定していく
      (検索ボリューム・獲得難易度・競合企業の状態・ペルソナとのフィット度・購買への距離などを決定の指標にする)
    • 優先度の高いキーワードからの流入数目標を決定する
      ⇨ キーワード選定のポイントはこちらでチェック!『SEOだけじゃない!適切なキーワード選定でオウンドメディアを成功に導く方法』
    ◆STEP5:コンテンツ戦略

    キーワード抽出が完了したら、SEO・顧客育成双方の視点を踏まえた上でコンテンツ戦略を立案します。その際のポイントは以下。

    • 抽出したキーワードで実際に検索を行って、ユーザーの検索意図を把握する
    • 検索意図ごとにユーザーのニーズを満たすコンテンツを洗い出す
    • カスタマージャーニーマップに従って、コンテンツをマッピングしていく
    • コンテンツによって、購買活動初期からCV達成までのフローをスムーズに誘導できるかどうかをチェック
    • 内部リンク構造を意識しながら、サイト構成を検討する
    • 運用体制を含む、コンテンツ作成プランを6カ月分作成しておく
    ◆STEP6:現状サイトに対する改善施策抽出

    現状調査から洗い出された課題に対して、改善策を導き出します。現状のサイトが抱える課題と、理想的なユーザー導線を検討したうえで、一つ一つ具体的な施策に落とし込みを行います。ここでのポイントは、購買に近い部分から検討・実施を行うことです。

    いくら集客が成功しても、いくら顧客を購買に近づけることができたとしても、最も購買に近い部分であるお問い合わせフォームやカートが使いづらければ、その時点で顧客は離脱してしまうからです。せっかくコツコツと築いてきた信頼関係を最後の最後で失うことにもなりかねません。そのため一見遠回りに見えても、ゴールに近い場所から整備していくことをオススメします。

    ◆STEP7:ブループリント作成

    STEP5・6で、作成すべきコンテンツと実施すべき改善施策がすべて洗い出された状態ですので、ここではすべての施策に対して優先順位をつけていきます。優先度を決定したうえで、どの施策をいつ実施するのか、中長期的な視点で1枚のブループリントにまとめていきます。ブループリントにすることによって、誰が見てもプロジェクトがどこに向かっているのかを把握することができるようになり、目的を失わずに戦術の実行が可能になります。

    また、俯瞰的にプロジェクトの全体像を把握することが可能になるので、上層部に対しての説明資料としても役立てるでしょう。

    *ここでは概要のみをご紹介していますが、トランスコスモスではそれぞれの業種や課題に合わせて詳細なコンテンツマーケティング戦略をご提供できるプランがございます。

    ⇨ 詳しくはお気軽にお問い合わせください。

    戦略時点で100点を目指すのではなく、継続的なPDCAで300点を目指す

    「私たちマーケターは、コンテンツを製品として扱う必要がある」という、Content Marketing Institute社のゼネラルマネージャーであるStephanie Stahlの言葉があります。彼女はこの言葉によって、コンテンツマーケティングを成功させるためには、コンスタントに繰り返しテストを実施する必要があるということを伝えています。

    事前に戦略を立てることは、失敗を最小限に抑えるために必要不可欠なことですが、顧客を取り巻く状況は刻一刻と変わっていきます。はじめに立てた戦略が永遠に通用することはあり得ません。また、戦略の時点で完璧な絵を描けることも少ないでしょう。
    そのため広告やLP制作などの、ほかのオンライン施策と同様に、コンテンツマーケティングにおいてもPDCAの継続的な実施が重要になってくるのです。

    実施する一つ一つの施策に対して評価を行い、改善を繰り返していくことでコンテンツマーケティングは軌道に乗っていきます。一度起動に乗れば、フライホイール効果*¹によって小さな手間で大きな成果を得ることができるようになるため、戦略時点では予期していなかったほどの大きな効果を生むことも可能になります。

    コンテンツマーケティングの今後

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    コンテンツマーケティングについて調べたことがある方は、「コンテンツマーケティングはもう古い」という意見を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    その意見は「一部正しく、一部間違っている」というというのが弊社の見解です。

    古いと言われる要因の一つは、日本で広く利用されているコンテンツマーケティングがアメリカで実施されている内容とは若干異なり、本質から外れた手法が広がってしまった背景があるためです。一部では、集客だけを目的とした「コンテンツSEO」がコンテンツマーケティングであるという誤った捉えられ方をすることもあります。こういった、本来のコンテンツマーケティングからかけ離れた手法を続けていても、期待する効果が得られるはずはありません。こうした現状が続けば、コンテンツマーケティングがもう古いと言われることも増えてしまうでしょう。

    しかしアメリカで生まれたコンテンツマーケティングは、2020年の時点でも進化を続けています。
    もともと、アメリカのコンテンツマーケティングは、顧客の育成を目的として発展してきました。これが、集客を目的として考えられることの多い日本のコンテンツマーケティングと異なる点です。

    では2020年以降、コンテンツマーケティングはどのように進化をしていくのでしょうか。ここでいくつかの専門家の意見をご紹介します。

    ブランドブログやソーシャルフィードを開設して、トラフィックの流入を期待する時代は終わりました。オーディエンスとの真のつながりを築き、KPIを達成するためには、コンテンツに対する考え方を変える必要があるかもしれません。(AMANDA PRESSNER KREUSER, CO-FOUNDER AND MANAGING PARTNER, MASTHEAD MEDIA)

    15年後も、コンテンツマーケティングは全く変わらないということです。最高のコンテンツは、今まで通り、私の成功と幸せのために役立つでしょう。唯一の違いは、15年後にはAIが、私にとって最も役立つコンテンツや商品を素早く的確に発見してくれるということだ。それは同時に、ほかのすべての役に立たないコンテンツを無視できるということです。(Joe McCambley, SVP, Content Marketing at POP

    YouTubeのような動画メディアとともに、Siriのような音声アプリケーションやAmazon Echoのようなデバイスが急速に発展していることを考えると、コンテンツマーケティングは、非テキストタイプの情報に切り替わる可能性が高い。(Mario Peshev, CEO & WordPress Architect at DevriX

    私はマーケティングの未来を、動画やAR(拡張現実)でより洗練されたパーソナライゼーションに向けて動き続けると見ています。(中略)マーケティング担当者は、営業チームと連携し、消費者に関するあらゆるデータを活用する必要があります。ARとVRによって、マーケティングは個々の消費者に極めてターゲットを絞ったものになっていくと私は考えています。(Jeane Sumner, CMS at Sumner Digital

    これらの発言から、これからのコンテンツマーケティングのトレンドが見えてきます。

    • 動画や音声コンテンツの重要性
    • AIなどによってパーソナライズされたコンテンツ配信
    • AR/VRなどの発展による、没入型のコンテンツの活用

    などが今後のトレンドになっていくでしょう。

    しかし、Joe McCambley氏による発言の中にもあるように、基本的なコンテンツマーケティングの考え方は変わらないはずです。顧客にとって有益な情報を提供し、顧客と会話を続けていくことで信頼関係を構築すること。それによって顧客育成を達成し、購買の後押しをすること。このように今後も目的は変わらないまま、テクノロジーの進化によって、コンテンツの発信手法だけが変わっていくのです。

    ここで気を付けることとしては以下の点です。

    • コンテンツマーケティングは、決してオウンドメディアだけの手法ではないこと
    • 集客だけが目的なのではなく、本来は顧客育成が目的であること
    • コンテンツマーケティングは包括的な施策であり、各部署と連携しながら全体的なマーケティング施策の一部として機能させること
    • 今後は、よりパーソナライズ化されたコンテンツ配信と会話型のコミュニケーションが求められていること

    これらの点に注意を払いながら、自社独自の戦略を立てたうえで顧客にアプローチをし続ける必要があります。このように本質を見失わなければ、コンテンツマーケティングは普遍的なものとして今後も発展し続けるでしょう。